きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) エプソムカップ

先週の日曜日はエプソムカップが東京競馬場で行われました。当日のお昼休みには、エプソム競馬場と東京競馬場の関係者による昼食交歓会も催されました。優勝したのは日本ダービー馬の弟でした。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

エプソムカップ 京雅

追ってさあ
一騎見事に
快勝の
血統活かせ
累代 誉れを

隠れたメッセージは「おいかける あにのせを →追いかける 兄の背を」です。
追()ってさあ(
一()騎見事に(
快()勝の(
血()統活かせ(
累()代 誉れを(


<京雅さんからのメッセージ>
エプソムカップはGⅠシリーズ翌週に開催されることもあり、出走馬の目標は秋の大舞台。賞金も加算し、ここを弾みとしたい馬たちが注いました。
優勝したのは、一昨年の日本ダービー馬の弟、レイエンダでした。スタート良く飛び出したレイエンダは、逃げ馬を見る2番手で、道中しっかりと折り合い、抜群の手ごたえのまま最後の直線へ。
昨年冬のチャレンジカップで6着に敗れると、その後はもう一息の競馬が続いていましたが、溜めこんだエネルギーを一気に解き放ち、うっぷんを晴らすかのような会心の勝利でした。
全兄レイデオロは記憶に新しい日本ダービー馬ですが、脈々と続く血統をさかのぼると、同じく日本ダービー馬のキングカメハメハやアメリカの血統図に燦然と輝くMr.Prospectorの血を受け継ぎ、また母系にはディープインパクトの姉であるレディブロンドの名前も確認できます。まさに、血統を活かして、これまで培われた累代の誉れがレイエンダに降り注がれたかのような勝利でした。


今回の勝利で兄弟対決の実現で現実味を帯びてきました。両馬の戦績を考えると、天皇賞(秋)が決戦の最有力舞台でしょうか。秋に向けて楽しみが広がる一戦でした。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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