きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ベルモントSは大混戦?

6月7日は、高柳大輔 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

日本でも馬券発売されるアメリカ三冠の最終戦ベルモントSが、日本時間の明朝スタートします。この日のベルモントパーク競馬場は、豪華絢爛8つものG1レースが組まれて、1レースから最終レースまでメインレースが続くような、日本では考えられないファンをワクワクドキドキの夢の世界に連れて行ってくれます。ダートのG1メトロポリタンHには史上唯一ドバイワールドC連覇の偉業を成し遂げたサンダースノーが登場します。マイルが彼にとっては短すぎることをサイード・ビン・スルール調教師も認めていますが、果たしてゴドルフィン悲願のBCクラシック制覇に向けて、どんなレースを見せてくれるのでしょうか?芝のG1マンハッタンSには、目下4連勝でアメリカングラスホース(芝馬)の筆頭格にのし上がったブリックスアンドモルタルが登場します。日本産のアメリカ調教馬ヨシダの好敵手としても知られる馬で、ハーツクライ産駒の伸び代を測る上でも貴重な一番になりそうです。

メインの中のメイン、ベルモントSは主役不在の混戦ムードが漂っています。ケンタッキーダービーを圧勝したと思ったら不覚の降着処分で、勝者に贈られる薔薇のレイを戴冠できなかったマキシマムセキュリティの姿はなく、繰り上がり優勝のカントリーハウスもいません。ベルモント出走馬の中ではダービー3着と最先着だったタシトゥスが1番人気に押し出されました。ダービー7着ながらプリークネスSを勝ったウォーオブウィルが2番手で、3番手グループには日本馬マスターフェンサーの名前が見えます。ダービーでは最後方から目の覚めるような末脚で直線一気に追い込んで、ウォーオブウィルに半馬身先んじる6着に健闘しています。ダービーの4コーナーまでは、まったく注目もされていなかったのですが、強いものは強いと好走した現実を素直に認める公平なアメリカファンからも一定の信頼を勝ち取っているようです。

父のジャスタウェイは、ご存じのようにマスターフェンサー世代が初年度産駒でフレッシュサイアーリーディングに輝いています。重賞馬を出すのは時間の問題とされていましたが、ここまでG1はおろかG3すら勝てていません。しかしジャスタウェイがドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)で世界に羽ばたいたように、祖父ハーツクライがキングジョージでヨーロッパの強豪と叩き合って日本馬の実力をアピールしたように、海外遠征となると目の色が変わる血筋です。産駒の初重賞が海外クラシックという奇想天外な結末も、この血統らしいと思えてなりません。ニューヨークの空からの朗報を待ちたいと思います。

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