きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 天皇賞(春)

昨日から新たな元号、令和がスタート、新たな時代の幕開けに心躍る気持ちで溢れております。令和の時代にはいったいどんな名馬が、どんなシーンを紡ぎだしてくれるのか、皆さんと共に歴史の目撃者となっていきたいと思います。
さて、先週は平成最後のGI競走、天皇賞(春)が行われました。京雅さんは平成の締めくくりをどのように詠ったのでしょうか。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

天皇賞(春) 京雅

気配見る
大胆に攻め
かのスター
苦闘粘る
手に春楯よ

隠れたメッセージは「けだかくて るめーるよ → 気高くて ルメールよ」です。
気()配見る(
大()胆に攻め(
か()のスター(
苦()闘粘る(
手()に春楯よ(


<京雅さんからのメッセージ>
平成最後のGIは159回目を迎えた伝統の天皇賞(春)。見事、優勝したのは、昨年の菊花賞で淀を歓喜の渦に包み込んだ菊花賞馬フィエールマンでした。
道中は、ちょうど中断の位置取りで、逃げ馬と追い込み馬の双方の気配を見ながらじっと脚を溜め込んでいました。そして4コーナーから進出を開始したフィエールマンを勝利の道に導いたのは、桜花賞、皐月賞と連勝で天皇賞(春)に臨んだスター・C.ルメール騎手。最後の直線入り口で、早くも先頭に立つと、競りかけてきた同じ4歳馬のグローリーヴェイズとの直線の叩きあいをクビ差制して、2つ目となるGIのタイトル・春の楯を手にしました。
フィエールマン、その馬名の意味は「気高く、勇ましく」。リーディングジョッキー・C.ルメール騎手を背にしたその雄姿はまさに、気高く、勇ましい姿、そのものであった。

6戦目での天皇賞(春)制覇は史上最速。競馬サークルでは、早くも凱旋門賞挑戦を望む声で溢れています。
平成で大活躍のC.ルメール騎手は、フィエールマン、サートゥルナーリアとお手馬が2頭凱旋門賞挑戦というプランも。令和もこのジョッキーを中心に競馬サークルが回っていくのでしょうか。はたまた、香港の地で日本馬、日本人騎手の維持を見せ、クイーンエリザベスII世杯で優勝した松岡正海騎手のように日本人騎手が覇権を取り戻すのでしょうか。騎手同士の戦いもますます目が離せません。

【京雅さんから改元 特別和歌】

変化ほら
いい仔頑張れ
攻めて追い
行け中山だわ
勝って王者に

隠れたメッセージ「平成から令話に」

変()化ほら(
い()い仔頑張れ(
攻()めて追い(
行()け中山だわ(
勝()って王者に(


令和もよろしくお願いいたします。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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