きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 大阪杯・ドバイターフ

4月4日は、林徹 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
週末は大阪杯とドバイワールドカップデーが行われ、昼夜を通して競馬で盛り上がりました。今回は阪神競馬場で行われた大阪杯に加えて、特別にドバイターフでのアーモンドアイの激走を祝して、京雅さんが2首詠んでくださいました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

大阪杯 京雅
不屈背に
ついに名馬が
勝ち取るわ
繋がる血の輪
二年ぶり咲く

隠れたメッセージは「ふつかつに にがわわく → 復活に 仁川わく」です。
不()屈背に(
つ()いに名馬が(
勝()ち取るわ(
繋()がる血の輪(
二()年ぶり咲く(


<京雅さんからのメッセージ>
大阪杯、なんと久しく勝利に見放されていたアルアインが、皐月賞以来、2年振りの復活勝利 。しかも皐月賞と同じで9番人気での優勝。
アルアインは、内で脚を溜めて絶好のポジションでロスなくレース展開ができ、直線では内を伸びて抜け出し、後続を振り切り見事に勝利。完璧なレースで苦節13年の不屈の北村騎手にGI初勝利をプレゼント。
「復活に 仁川わく」の含意を解説すれば、「わく」は、「枠」「沸く」と「湧く」の掛詞。
中距離路線の主役を自認する豪華メンバーが顔を揃えるなかで、枠順にも恵まれ、人馬ともに不屈の闘志での復活に、仁川のファンは大いに沸いた。
 実は、当日は、ドバイワールドカップデー。なんと、アルアインは、母がドバイマジェスティ、母の父がエッセンスオブドバイで、まさにこれがサインだったのか。なお、アルアインの意味は、ユネスコの世界遺産で、アラビア語で「泉」。ドバイを源とする水脈が、長らく地下に身を潜め、ドバイデイのこの日、仁川の地で、泉のように湧き出たのだった。


そして、ドバイターフの和歌はこちらになります。

ドバイターフ 京雅
完璧か
いつも胸打つ
頑張りや
一気輝く
もう圧勝す

隠れたメッセージは「かいがいも かつやくす → 海外も 活躍す」です。
完()璧か(
い()つも胸打つ(
頑()張りや(
一()気輝く(
も()う圧勝す(


<京雅さんからのメッセージ>
初の海外遠征が懸念されたアーモンドアイでしたが、日本での強さをそのままに優勝。牝馬ながら牡馬に交じってもいつも一生懸命に走る姿は胸を打つものがある。
一気輝くは、アーモンドアイ以外の日本馬も2着や上位健闘と、日本馬がドバイの地で一気に輝いた・・・という意味が含まれる。


アーモンドアイは凱旋門賞へ挑戦するため年内は海外レースに専念するプランもあるようで、益々、今後の動向が注目されます。まずは“無事是名馬”ということで、凱旋門賞まで怪我無く進んでほしいですね。



※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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