きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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《あんな騎手に乗ってもらいたい》馬主ならどなたも、そう溜息をつきそうな騎乗ぶりでした。エリザベス女王杯のライアン・ムーア騎手です。

追われて一完歩一完歩しっかり伸びるスノーフェアリーも偉いが、ムーア騎手の豪腕も見事の一語に尽きるものでした。外国人騎手偏重が指摘されたりするここ最近ですが、そうした議論が“繰り言”にしか聞こえない鮮やかさでした。外国人とか日本人とかナショナリズムの域を超えた有無を言わさせぬ技量とか馬との気持ちの通わせ方とか、いわば絶対領域みたいものがそこにありました。《世界は広い》とは、こういう場合のためにある言葉でしょうね。

さて、今週のマイルチャンピオンシップも外国人騎手ラッシュ。遠征馬のイモータルヴァースにクリストファー・スミヨン騎手、同じくサプレザにはクリストフ・ルメール騎手が乗ります。日本馬にはグランプリボスのミルコ・デムーロ騎手ですか。

再来週のジャパンCはもっと凄いことになっていて、登録馬の半数9頭が外国人騎手を予定しています。もちろん有力どころばかりですね。日本同士の有力コンビはブエナビスタと岩田康誠騎手、ペルーサと横山典弘騎手くらいなものでしょうか。彼に任せて良かった、馬主さんが喜ぶような騎乗を期待したいものです。

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