きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

歌人“京雅”さんからの和歌(沓冠) 高松宮記念

3月28日は、伊藤 圭三 調教師、角居 勝彦 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
いよいよ春のGIシリーズが開幕。初戦の高松宮記念は3連単449万円の大万馬券が飛び出しました。京雅さんからは、そんな高松宮記念のレース模様とレースに隠されたサイン馬券も解説していただきました。是非、隠れたメッセージを読み解いてください。(メッセージの答えは最後に)

高松宮記念 京雅
すべて読め
馬場空く進路
ラスト出で
疾走凄い
一騎抜けたよ

隠れたメッセージは「すばらしい めろでいよ → 素晴らしい メロディよ」です。
す()べて読め(
馬()場空く進路(
ラ()スト出で(
疾()走凄い(
一()騎抜けたよ(


<京雅さんからのメッセージ>
春のスプリント王決定戦、平成最後の高松宮記念は、3番人気のミスターメロディ鞍上の福永祐一騎手は、なんと道中好位置で脚を溜め、勝負所で前方進路が開けるや追い出しを開始し、直線抜け出し粘り強い伸び脚。すべての展開が読めていたような完璧な騎乗でGⅠ制覇となりました。
折りしも、同じ週の火曜日には、高松宮記念で初のGⅠ制覇を果たした不屈のキングヘイローが亡くなっていました。勝利騎手インタビューで、かつてキングヘイローの主戦だった福永騎手が「自分の大きな糧となってくれた馬・・・今日はキングヘイローの後押しを感じました」と答えたように、キングヘイローに捧げる勝利でありました。
また木曜日には、平成のミスター、世界のイチローが引退していました。平成最後の高松宮記念は、キングヘイロー追悼とイチローのサヨナラ競馬だったのか、と感じさせられる一戦でした。
なお、3連単は、3-4-7でサヨナラ。引退したイチローのサイン馬券だったのか?なんと449万円超と、GI史上歴代5位の高配当。さらにサインとして、イチローの最終安打数は、4367本。きっと3.4.6.7のBOX買いで的中したファンもいたはず。確かに競馬にはドラマがあるのでしょう。
ちなみに馬名の由来となった「Mr.Melody」は、往年の名歌手ナット・キング・コールの愛娘ナタリー・コールが、デビュー間もない1976年に「東京音楽祭」でグランプリを受賞した曲で、スプリント戦に相応しいアップテンポの名曲です。


さて、この和歌の一句目「すべて読め」とは、“福永騎手の完璧な展開の読み”のほかに、京雅さんから競馬を愛する皆様へ、“このようなサイン馬券を読み解き馬券を的中させなさい”という激励の意味も込められていたことを最後に付け加えさせていただきます。


※ 【沓冠】の解説
和歌の折句の一種。意味のある10文字の語句を、各句の初め(冠)と終わり(沓)に1字ずつ詠み込んだもの。「沓」とは、体の一番下に着けるもので、「冠」とは、一番上に着けるものであることから、「沓冠」といわれる。 平安貴族の「言葉遊び」で、短歌の中に、本文とは違う言葉を忍び込ませて、和歌の表面とは違ったメッセージを密かに伝えているところが、面白いところ。

※歌人“京雅”さん
長く競馬サークルに住みついている覆面歌人。本年から、当協会ホームページで連載開始。渾身の一首をお届けするので皆さんも、是非、謎解きに挑戦してください。

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