きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ブレイブスマッシュの栄光

3月15日は、武 豊 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

オーストラリアへ移籍したブレイブスマッシュですが、日本時代は1600mのG3サウジアラビアロイヤルCを勝ち、距離を縮めた1400mのG3ファルコンS2着、 1200mのG3オーシャンS4着とそれなりの実績を残していたのですが、短距離王国オーストラリアでどこまで通用するのか?期待よりは不安が先に立つ船出でした。ところが南十字星下の環境が合ったのか、リステッドレースから出発して徐々に力を発揮しはじめ、芝のレースとしては世界最高賞金が看板のジエベレストに挑戦、後方から鋭く3着に追い込み一躍オーストラリアファンの心を捉えました。追い込みタイプで着順は展開に左右される傾向が強いのですが、いつも差のないところまで迫って来る堅実味は天下一品です。

そしてフューチュリティSで同じ移籍馬のトーセンスターダムとワントゥーフィニッシュを決めてG1初制覇。さらにはマニカトSで2勝目のG1をゲットして種牡馬入りに明るい見通しを立てます。エスティファームの生産馬で父トーセンファントムというマイナーなプライベート血統ですが、母系はダイワメジャーやダイワスカーレット、ヴァーミリアンなどを輩出している名門スカーレットインク系。母の父がトウカイテイオーで、サイアーラインとしてはほぼ絶滅状態にある祖父シンボリルドルフ由来の名血が蘇ることになります。まさかオーストラリアで復活するとは思いもかけませんでした。

ブレイブスマッシュはこの後、ドバイに遠征してワールドカップナイトのG1アルクオーツスプリントに出走するそうです。さらに香港に飛び、G1チェアマンズスプリントブライズへ。ドバイや香港は馬産なき競馬大国ですから、ここで強烈にアピールして種牡馬価値を上げようというのは当然の戦略でしょうね。ラストランはロイヤルアスコットを予定しているようです。まるでサラブレッド版シンデレラストーリーそのものです。ブレイブスマッシュがここまで大出世するとは誰も想像できなかったでしょうね。その後は繁殖シーズンを迎えるオーストラリアへ戻り種牡馬生活をスタートさせます。ぜひ元気な仔を送り出してください。

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