きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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秋のG1、エリザベス女王杯、マイルチャンピオンシップ、ジャパンC、ジャパンCダートに出走の外国馬には、一定の条件をクリアすると報奨金が支払われます。指定レースの勝ち馬には本賞金以外にその7割のボーナスが支給されることになっています。2着、3着にもそれなりのボーナスがついてきます。

今回のマイルチャンピオンシップの場合、イモータルヴァースはジャックルマロワ賞を、サプレザはサンチャリオットSをそれぞれ勝っていますからボーナス支給の条件を満たしていることになります。

1着なら本賞金1億円にプラス7000万円の報奨金、2着でも本賞金6000万円にボーナス2800万が追加、3着馬でも1800万円のプラスアルファが支給されるわけです。日本馬の馬主さんには羨ましいような厚遇ぶりですね。

こうした積み重ねが日本競馬のグレードを高め、ひいては日本産馬のレベルを引き上げるのは理解できます。ゴドルフィン専属トレーナーのサイード・ビンスルール調教師は、《我々の目標はメルボルンC、ケンタッキーダービー、そしてジャパンCだ》と語っています。

それぞれ高額賞金レースなのは間違いないのですが、オーストラリア、アメリカでの影響力をさらに増し、日本のマーケットを開拓したいという戦略が潜んでいます。賞金インセンティブはなくても来る馬は来るのです。むしろこちらの方が生産界には比べものにならない脅威ですが。

隆盛を誇った日本競馬も売上減は深刻で賞金や各種手当の見直しが行われています。外国馬の参戦が売上に貢献するわけではないことも、周知の事実になっています。抜本的な改革が望まれる時期かもしれません。

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