きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【49】ダノンレジェンド
2014年12月14日 第7回カペラステークス

おおいぬ座のシリウス。こいぬ座のプロキオン。ふたご座のポルックス。おうし座のアルデバラン。オリオン座のペテルギウスとともに、“冬のダイヤモンド”を形作っているのが、このレース名の由来にもなっている、ぎょしゃ座のカペラだ。

――冬の中山で、ダートの快速王決定戦を。
1月に施行されていたガーネットステークスを引き継ぐカタチで2008年に新設されたカペラステークスは、JRA唯一のダート短距離重賞競走。スピード自慢のサラブレッドが、ここを目標に集結する。
記念すべき第1回の優勝馬は、横山典弘騎手騎乗のビクトリーテツニー。それまでの記録をコンマ4秒も更新する1分8秒7のレコード決着に、中山のスタンドに駆けつけたファンは大きく目を瞠った。
第2回の優勝馬はミリオンディスク。3回はセイクリムズン。4回はケイアイガーベラ。5回はシルクフォーチュン。6回がノーザンリバー。そして今回紹介する第6回が――このレースをきっかけに、遂に、JpnI・JBCスプリントまで駆け上がることになったダノンレジェンドだ。

レースは、前々年の勝ち馬、シルクフォーチュンが競走除外となる波乱含みの様相でスタート。2枠4番から好スタートを切ったエイシンゴージャス、5枠9番から先手をうかがうサトノプリンシパル、大外枠8枠15番から気合を入れて飛び出したサウンドガガがハナを奪う勢いで殺到したが、それらを制し、敢然と先頭に立ったのが、1枠1番を引き当てた12番人気のダノンレジェンドだった。
最短コースを気持ちよく走るダノンレジェンドと後続の差は、直線入口で3馬身。
――そうは言っても、最後まではもたないだろう。
スタンドの囁きに反発するかのように、さらに加速したダノンレジェンド……終わってみれば、2着地方からの刺客サトノタイガーに5馬身差を付ける圧勝劇で、初重賞のタイトルの其の掌中におさめた。

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