きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

短距離王国から基幹距離大国へ

12月13日は、石坂 公一 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

先の日曜の香港国際競走は、レース順に香港ヴァーズ2400m、香港スプリント1200m、香港マイル1600m、香港カップ2000mとすべてを地元勢が凱歌を上げ、史上初のグランドスラムを成し遂げました。良く知られるように香港はオーストラリアとともに「短距離王国」として世界競馬に独自の地位を築き上げてきました。スプリンターズSを勝ったセイクリッドキングダムとか高松宮記念のエアロヴェロシティなど海外遠征でも五分以上に戦える一級馬が揃っています。今回の日本代表ファインニードルは大外枠発走のハンデもありましたが惨敗といった結果で、香港短距離馬のレベルの高さ、層の厚さを認めざるを得ません。

ご承知のように距離の国際基準は、いわゆるSMILE(スマイル)によって1000m〜1300mのスプリント、1301m〜1899mのマイルといった具合にカテゴライズされています。各カテゴリーともに結構幅が広いのですが、スプリントでいえば1200mが代表的であり、マイルなら1600m、中距離は2000m、長距離は2400mが基幹中の基幹距離、いわば王道の位置に君臨しています。香港競馬の運営コンセプトは、この王道路線にあるようです。レースレベルの国際比較がしやすく、世界的な地位を上げていくには参考になりやすい指標だからです。

香港競馬は、中国本土の広州・従化(ツォンファー)に芝の坂路まで備えたトレセンを開設し、競走馬のレベルアップに余念がありません。香港マイルで日本のヴィブロスを寄せ付けなかったビューティージェネレーションなんかは、既にワールドクラスの一流馬と言えます。来年はドバイターフでヴィブロスと再戦、そしてロイヤルアスコットへと国際舞台に登場します。香港カップは昨年に続く全兄弟制覇となり陣容の充実ぶりを伝えています。どちらか言えば苦手だった長距離の香港ヴァーズの勝利も朗報でした。今回のグランドスラムが短距離王国から基幹距離大国への飛躍の一里塚となるのか?香港馬から目が離せそうにありません。

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