きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【48】デルタブルース
2005年12月3日 第39回ステイヤーズステークス

11月30日は、四位 洋文 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
中山の芝内回りコースを2周、コーナーを8度回る国内でもっと長い距離のマラソンレース。1967年に創設されて以来、一度も他場で行われたことはなく、中山の誇りと呼んでもいいレースのひとつがこのステイヤーズステークスだ。

歴史を紡ごこと39回――2005年のレースで圧倒的な1番人気に推されたのは、現在、名伯楽と呼ばれる角居勝彦調教師に、はじめてのGI(前年の菊花賞)をプレゼントしたデルタブルース。2番人気は、この年の鳴尾記念、日経新春杯を連勝しているサクラセンチュリー。3番人気はオールカマーの優勝馬、ホオキパウェーブ。以下、ケント・デザーモ騎乗のエルノヴァ、イングランディーレ、ブリットレーン……と続いたが、大方の予想は、オリビエ・ペリエ騎乗のデルタブルースで決まりだろうというムードが漂っていた。
レースは、ゴーウィズウィンドが引っ張る展開。ラヴァリージェニオ、ハイフレンドトライ、ブリットレーンと隊列が整い、デルタブルースは、中団6番手。スローペースで、淡々と進む。
勝負は最後の直線――。
満を持して馬群を割って出たデルタブルースは、懸命に追いすがるケント・デザーモとエルノヴァをアタマ差抑えこみ、見事、単勝1.8倍の人気に応えた。

デルタブルースは、このレースの後、国内では遂に勲章を手にすることは出来なかったが、2006年11月7日、豪州フレミントン競馬場で行われたGIメルボルンカップ(芝3200m)を、菊花賞でコンビを組んだ岩田康誠騎手で快勝。日本調教馬としては初となるオーストラリア最優秀長距離馬に選出された。
父ダンスインザダーク
母ディクシースプラッシュ
引退後、残念ながら種牡馬にはなれなかったが、彼が残した偉業は、日本競馬の歴史に鮮やかな爪痕を残している――。

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