きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

成長力か経験か?

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いよいよ中山名物・スプリンターズSの季節が巡って来ました。今年はこれまで行われた1200m以下の重賞レースの勝ち馬すべてがゲートインします。ハイレベルな頂上決戦のお膳立てが整いました。いつもに増してワクワク感がヒートアップします。成長目覚ましい上がり馬の威勢が良い一方、円熟の境地を迎えたベテラン勢の質が高いのも今回の特徴です。南北半球の違いはありますが、前人未到の3連覇の偉業達成に挑むレッドファルクスと香港馬ラッキーバブルズは同い年の7歳馬です。近走内容が一息冴えず「燃え尽きたか?」と陰口を叩かれるところまで似ています。しかし両馬ともに秘めた実力が抜きん出たレベルにあることは疑えません。

香港馬のスプリンターズS実績は、05年にデビューから連戦連勝で17連勝を記録した香港の英雄・サイレントウィットネスが日本馬を一蹴し、10年には格下と見られていたG1初挑戦のウルトラファンタジーが激流を耐えに耐え一杯に逃げ切っています。近年もラッキーナインや昨年のブリザードが少差で掲示板に載っています。実力は確かです。ラッキーバブルズはサイレントウィットネスほどの派手さはありませんがレッキとしたG1ホースであり、香港短距離界のエース・ミスタースタニングやオーストラリアの最強馬シャトークアあたりと、ともにハナ差の激闘を演じてきたキャリアは一級品です。このバブルズに昨暮の香港スプリントで堂々先着したファインニードルの地力強化も本物でしょう。

今回はイキの良い先行馬が顔を揃えて、流れは厳しくなりそうです。勝負は中山競馬の醍醐味・胸突き八丁の急坂を登り切って、ラスト100mにも満たないスリリングな決め手合戦!ファルクスは中山ならではの急坂を味方に素質を開花させました。バブルズもハイレベルな香港で鍛えた激流競馬になれば勝負魂には自信があります。ベテランの豊富な経験が生きないとは言えないのかも?

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