きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

名勝負をよろしく

10月4日は、古賀 史生 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

昨夕、凱旋門賞の出馬登録が行われ、5月上旬の予備登録馬95頭が追加登録馬を含めて20頭までに絞り込まれました。と言っても日本風に「確定」ではありません。パリでは土曜に雨予報が出されており、ここからが駆け引きの始まりです。良馬場志向のシーオブクラス、ヴァルトガイスト、重馬場条件のクラックスマンと有力各馬は、それぞれに事情を抱えており、空模様次第では直前に出走回避する陣営も出てきそうです。ご承知のように向こうでは、それが当然で競馬の内と考えられていますから。

出走表明した20頭の顔ぶれを眺めていくと、改めて凱旋門賞というレースの凄さが実感されます。馬主、調教師、騎手、すべてが世界に名を轟かせている一流の実績の持ち主ばかりです。フランスのアンドレ・ファーブル調教師は凱旋門賞を実に7回も勝っている「仕事人」です。ご存じフランキー・デットーリ騎手は昨年のエネイブルを含めて5勝しています。もちろん狙いは連覇ただ一つでしょう。同4勝のオリビエ・ペリエ、2勝のライアン・ムーアと腕達者が勢揃いしました。この舞台でディープインパクトを置き去りにしたレイルリンクのステファン・パスキエはディープ産駒スタディオブマンで「日本のファンに朗報を」と張り切っています。こうした百戦錬磨の達人たちに混じっても輝きを失わない武豊騎手の存在感も立派なものです。

エネイブルの最大のライバルと注目が高まっているジェームズ・ドイルは、競馬ドラマ創りの名プロデューサーです。G1を3連勝して種牡馬になりながら、受精不良で競馬場に戻って来たアルカジームに再びG1を勝たせたり、伸び悩んでいたフランケルの全弟ノーブルミッションを一級のG1馬に導き、英チャンピオンSでアルカジームとクビの上げ下げの死闘を演じて、イギリスのファンを熱狂させています。この時は主戦契約の関係でノーブルの鞍上だったのですが、体が二つあったらと心中は悩ましいものだったのでしょうね。今年の凱旋門賞も歴史に残るような名勝負を繰り広げてくれると思います。

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