きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ペガサスワールドCターフが創設

9月20日は、高野 和馬 騎手、手塚 貴久 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ペガサスワールドCと言えば、一昨年創設された世界最高賞金レースとして一躍、有力ホースマンの注目を集めた一番です。12頭から各100万ドル≒1億1000万円余の出走権料を徴収して賞金原資とするビジネスモデルを発明して、主催者負担分430万ドルを加えた1630万ドル≒18億2500万円が総賞金という驚きのビッグマネーが走ります。1着賞金はドバイワールドCの同600万ドルを抜き破格の700万ドル≒7億8000万円と世界最高を誇っています。開催時期の1月下旬は、ヨーロッパはシーズンオフであり日本もG1レース不在の季節、世界競馬のレーシングカレンダーが書き換えられることになるのでしょうか?

この新設G1の誕生で、ブリーダーズCクラシックを起点としてペガサスワールドC、ドバイワールドCへと繋がる1着賞金総額1630万ドル≒18億2500万円に達する“超高額賞金ロード”が完成し、有力馬のローテーションにも変化が見え始めました。アメリカでは既にダートの有力馬がブリーダーズCクラシックをゴールとするのではなく、逆にここからシーズンをスタートさせて、ペガサスワールドC→ドバイワールドCと高額賞金レースを渡り歩くローテーションが注目を集めはじめています。どのレースもハイレベルな戦い、そこで激闘を続けるのはリスクだからです。異次元の化け物のように強かったアロゲートのような馬でさえ、連戦連勝後はさすがに疲れ果て未勝利のまま引退しています。名匠ボブ・バファート調教師は、この教訓からか?今年は厩舎の有力馬にブリーダーズCぶっつけか、挟んでも1走だけのローテーションを考えているようです。

ペガサスワールドCシリーズとして同じガルフストリームパーク競馬場で同日に開催されるターフは、来年から出走権料50万ドルに値下げされるカップと同様のモデルで設定され、総賞金700万ドル≒≒7億8000万円、1着賞金300万ドル≒3億3000万円とされています。ダート・ターフ双方を優勝したオーナーにはボーナス賞金も企画されているようです。日本馬が遠征する場合、ジャパンC→有馬記念の1着3億円レースからペガサスワールドCターフ→ドバイシーマクラシックへの1着賞金総額12億6000万円の新たなチャレンジルートが誕生するかもしれません。新設G1の距離1900mを考えると、天皇賞秋から香港Cを挟む中距離路線も浮上しそうです。この場合、ドバイではなく開催時期が隣接する大阪杯が次なるターゲットになるのでしょう。一つの魅力的なレースの誕生が、世界競馬のレースしングカレンダーを書き換え、強豪馬のローテーションに変化をもたらし、馬主や厩舎の戦略にまで影響を及ぼす、これも競馬発展の試行錯誤と進化のプロセスなのでしょうね?

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