きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【32】ビクトリーテツニー
2008年12月14日 第1回カペラステークス

8月10日は、勝浦正樹 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
アルデバラン、リゲル、シリウス、プロキオン、ポルックスとともに、“冬のダイヤモンド”を構成するカペラは、ラテン語で、牝の仔ヤギの意。秋季競馬でのダート短距離競走の充実を図るために2008年に新設されたこのカペラステークスは、今年が11回目。いまでは、師走の中山を代表するレースのひとつとなっている。そして、このカペラステークスの初代王者として、その名を歴史に刻んだのが――アメリカ産馬のビクトリーテツニーだ。

中央、地方を含め、12月に行われるダート1200m唯一の重賞レースに集ったのは、1枠1番から、リミットレスビッド、ビクトリーテツニー、コパノフウジン、トロピカルライト、ナンヨーヒルトップ、フジノウェーブ、スリーアベニュー、ワーキングボーイ、タイセイアトム(取消)、カルナバリート、ダイワエンパイア、アグネスジェダイ、ウエスタンビーナス、ワールドハンター、タータンフィールズ、チョウカイシャトルの精鋭16頭。スタートとともに飛び出したトロピカルライト、ウエスタンビーナスが先頭を引っ張る中、横山典弘騎手に導かれたビクトリーテツニーは、後方4番手を淡々と進む。
1000mの通過タイムは、衝撃の56秒2。超ハイペースの中、鞍上の横山典弘騎手がGOサインを出したのは、最後の直線に入ってからだった。鋭く反応したビクトリーテツニーは前を走る馬を楽々と交わして一気に先頭へ。レース後、横山典弘騎手が、
「ペースはとても速かったけど、リズム良く走れました。直線の手応えはバツグンで、エンジンがかかってからの脚はすごかったですね」
と、驚くほどの末脚で、それまでのレコードをコンマ4秒も更新する1分8秒7のタイムで栄光のゴールに飛び込んだ。
1番人気馬が一度も勝ったことがないこのカペラステークス。快速自慢が集うこのレースを今年制するのは、いったいどの馬だろうか。

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