きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ヒロインが競馬を盛り上げる!

8月9日は、藤田菜七子 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

いま世界の中距離路線は、ある意味でサザンクロス(南十字星)の女王ウィンクスを中心に回っているとも言えそうです。オーストラリアを舞台に日本でもお馴染みになったヒュー・ボウマン騎手を背に、後方からゆったりと追走して勝負どころで“捲り一閃!”前を行く馬群をねじ伏せるレースぶりは壮大なスペクタクル劇を見るようです。目下25連勝中!強くて派手な女王に人気が集まらないワケがありません。

この女王が前人未到の4連覇をかけて出走するG1コックスプレートは、10月27日にムーニーバレー競馬場2040mで行われますが、今週火曜に締め切られた予備登録には、世界中から実に134頭もの各国を代表する一流馬たちがライバルとして名乗りを上げました。先月のキングジョージを制圧してヨーロッパ暫定王者に君臨したポエッツワード、ディープインパクトの英国クラッシック馬サクソンウォリアー、愛ダービーでそのサクソンのハナを明かした新鋭ラトローブ、ドバイターフの覇者ベンバトルなど今が盛りの実力馬がクツワを並べ、日本からは海外遠征に無類の強みを発揮するネオリアリズムがエントリーしました。オーストラリアに移籍した元日本馬のアンビシャス、トーセンバジル、ラングレーなども出走の構えを見せています。

宮本武蔵の物語に典型的な剣豪小説などには、世に広く名声が伝わる強豪に腕に覚えのチャレンジャーが次々と挑みかかるストーリーが登場します。この強豪を倒せば世に自分の盛名が伝わり、剣士としての価値も比類なく高まるという構造です。サザンクロスの女王ウィンクスは、まさにそうした存在のようです。誰がウィンクスを倒すのか?この秋、世界中のホースマンと無数のファンたちが固唾を飲んで注目しています。やはり競馬はヒーロー、ヒロインがいてこそ盛り上がるものなのですね。

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