きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

中山を彩った名馬たち【31】アルバート
2017年12月2日 第51回ステイヤーズステークス

8月3日は、杉浦宏昭 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
中山の内回りコースを2週するステイヤーズステークスは、もっともタフで、耐久力にすぐれ、最高に粘り強いサラブレッドに贈られる勲章。高低差2.2m、最大勾配2.24%の急坂を3度上り、8回のコーナーをクリアするためには、スタミナに加え、器用さも求められるが……なんと、このレースを3度も制している馬がいる。
アルバート
父アドマイヤドン 母フォルクローレ
馬主 林正道 調教師 堀宣行

はじまりは2015年だった。
1番人気に推されたアルバートは道中、リズムよく中団を進み、最後の直線で、わずかに空いた隙間をこじ開けるようにして抜けだすと、最後は5馬身差をつけての圧勝。手綱を取っていたR・ムーアが、「調教に乗った時に、馬が楽しんでいるのがわかりましたが、今日は僕も2周する間、楽しむことができました」と、その強さを周囲に見せつけた。
そして、翌16年もR・ムーアとのコンビで連覇したアルバートが挑んだのが、同レース史上初となる3連覇……JRAでは10頭目となる同一重賞3連覇の偉業だった。
もちろん人気は、単勝1.3倍という圧倒的な1番人気。過去2戦と同じくR・ムーアに導かれたアルバートは、最後の直線で脚を伸ばし、先に抜けだしていた2番人気フェイムゲームをきっちり捉え、最後は2馬身1/2差をつけ、王者の競馬でその栄光の座をつかみとった。
「この3年間、歳を重ねているにも関わらず、しっかりとレースに向けて調整してくださる方のおかげで3連覇を達成することが出来ました。結果として4歳の時のタイムより2秒以上速くなったように、この馬はほんとうに強い馬です」
R・ムーアが全幅信頼を置く、Teamアルバートが2018年に挑むのは、JRA史上初となる同一重賞4連覇から有馬記念という、暮れの中山ビクトリーロード。今年は、障害GⅠタイトルを5つ持ち、中山のターフを沸きに沸かせてきた、あのオジュウチョウサンの参戦も噂されているだけに、いまから胸がドキドキだ。

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