きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

カルチャーショック

ようこそいらっしゃいませ。

海外の競馬に学ばされることは、いつもいろいろと多いのですが、速くて強い馬が心身併せて健康で丈夫なことには舌を巻きます。ディープインパクトの血を享けたアイルランド調教馬サクソンウォリアーが今季を2000ギニー快勝からスタートさせ英ダービー、愛ダービーを激走、先週は連闘でエクリプスSに挑み、ゴール寸前まで先頭を譲りませんでした。一騎打ちを演じたライバルのロアリングライオンが斜行気味に馬体を併せて来て、少なからず窮屈で追いずらいレースになったのもクビ差の原因でしょうか?

一流厩舎の一流馬が連闘で大一番に臨む!日本では考えにくい光景です。過去に藤沢和雄厩舎のスティンガーが輸送付連闘でG1阪神3歳牝馬S(現ジュベナイルフィリーズ)を勝った例やオグリキャップがマイルチャンピオンシップをハナ差の激闘で制して連闘のジャパンCで当時の日本レコードタイ2着の歴史的銀星を挙げた夢のような光景を目撃した記憶はあります。
ただこれらは希少なレアケースです。

ところが向こうでは、連闘はサクソンだけのお家芸ではありません。日常茶飯事と言って良いかもしれません。エクリプスSと同じ日に同じエイダン・オブライエン厩舎に属するアテナという牝馬はG1プリティポリーSに3着と健闘し、その足でアメリカに渡って連闘で挑んだベルモントオークス招待Sを大外一気に差し切ってG1初勝利を飾っています。彼女の場合は4月に始動した今季は8戦目というハードローテーションを克服しての大金星でした。カルチャーショックでした。強くて速い馬が健康で丈夫に走る、競馬の理想はここにありそうな気がします。日本競馬も、まだまだ学ばねばならないことが多いようです。

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