きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ゆかりの名馬を訪ねて〜ナカヤマナイト〜

6月9日は、北沢伸也 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

先週までの東京競馬場連続GI競走も盛況のまま終了し、新馬戦の開始とともに本格的な夏の競馬がスタートしました。
今週から夏競馬開催中、きょうの蹄音の土曜は、中山馬主協会および中山競馬場ゆかりの名馬が、競走馬引退後、どのような人生(馬生)を歩んでいるのかを、関係者の方のインタビューを交えてお伝えしたいと思います。
初回は、現在、中山競馬場の誘導馬として活躍するナカヤマナイトをご紹介します。

<ナカヤマナイト概略>
通算成績:37戦6勝
重賞勝鞍:共同通信杯(GIII、2011)、オールカマー(GII、2012)、中山記念(GII、2013)
現在は中山競馬場の誘導馬として活躍中。

中山競馬場でナカヤマナイトの管理をご担当されている日野弘志さんにナカヤマナイトについて伺ってみました。

ナカヤマナイトと担当の日野さん―――ナカヤマナイトが誘導馬として中山競馬場に来たときの様子について教えて下さい。
日野弘志(以下、日野):2016年7月15日にナイトがやってきましたが、人が騎乗していないと大人しく、逆に騎乗すると少しヤンチャをする感じだと、前担当者から引き継ぎを受けました。

―――足の怪我が原因での引退でしたが、その点の影響は?
日野:怪我を回復させる必要もあり、約半年間まともな運動ができなかったので、その点で元気が有り余っていたのかもしれませんね。「もう全力で走らなくていいんだよ」ということを言い聞かせながら再調教をしています。

―――再調教とありましたが、誘導馬として訓練していくなかで、特に苦労したことはありますか?
日野:“待つこと”ができるかですね。出走馬が横を駆けても待つ、パドックで出走馬周回中のときは待機所で待つ、といった具合に誘導馬は待つことが大切で、ナイトはヤンチャな性格もあり、その訓練が大変でした。徐々に慣れてきて、昨年秋の第4回中山競馬から誘導馬デビューし、出走馬を前から誘導するのではなく、後ろから誘導してくれています。年末の中山大障害では、GI誘導デビューしました。

チャームポイントのギョロっとした目で
カメラ目線のナカヤマナイト
―――反対に日野さんからみて、ナカヤマナイトのすごいな、と思う点はありますか?
日野:やはり重賞を優勝するような馬ですから、トモの力強さは目を引きますね。引退原因となった患部の様子をみながらにはなりますが、後々はこの脚力を活かして馬術競技にも挑戦したいですね。ただ、まだまだ基礎トレーニングが必要ですね。(笑)

―――最後に、日野さんからホームページをご覧になっている方々へメッセージをお願いします。
日野:ナイトは精神的にまだまだ若い部分もありますが、馬体のハリなども若々しいので、現役競走馬と遜色ない綺麗な馬体をみて欲しいですね。あとは、ギョロっとした目がナイトのチャームポイントなので、是非、競馬場にお越しになって確認して欲しいと思います。

また競走馬時代のオーナー和泉信一様の御子息で、中山馬主協会会員の和泉憲一様にもお話をお伺いいたしました。
「ナカヤマナイトは、父・信一が所有した最後の競走馬となりましたので、特に深い思い入れがあります。残念ながら種牡馬になるには、少々成績が足りませんでしたが、引退後中山競馬場での誘導馬という新しいチャレンジをスタートさせ、いつでも会いにいける環境において頂けたこと、大変ありがたく思っております。これからの精神的な成長を期待して、立派な誘導馬になってもらいたいと思っております」

★誘導馬の一日★
平日は、誘導馬として必要な“待つ”訓練や横に馬がいても気にしないようにトレーニングをするほか、乗用馬として幅広く活躍するために、馬術競技の訓練や一般公募の乗馬レッスンなどを乗馬センター内で行っています。
開催日は、主に午前と午後に分かれて、担当するレースに出走する馬たちの誘導を行います。レースとレースの合間はパドック近くの待機所で出番が来るのを待っています。

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