きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

悪役志願

4月12日は、鮫島一歩 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

世界中のホースマンの熱い視線が、今週はオーストラリアのランドウィック競馬場に注がれます。次々と前人未到の領域に挑戦し続けているサザンクロス(南十字星)の絶対女王ウィンクスが、土曜のG1クイーンエリザベスS2000mに出走するからです。彼女はここまで34戦28勝、内G1を17勝しており、これは歴代の世界最高記録になります。目下24連勝中で今回勝つようだと、同郷の先輩でサザンクロス超特急と愛されたブラックキャビアの世界最高記録25連勝に並ぶことになります。もっともキャビアはデビューから不敗の25連勝ですから、仮にウィンクスに並ばれ追い越されても、彼女の価値が揺らぐことはないのですが。

この絶対女王の偉業にストップをかけるかも?とジャイアントキリング(大物喰い)を期待されているのが、日本から移籍したアンビシャスです。彼は日本時代も含めてG1は未勝利ですが、G2時代の大阪杯でキタサンブラックなど居並ぶG1馬を見事に差し切った大金星が印象に残っています。差し遅れることも多かった馬ですが、切れ味の鋭さはG1戦でも見劣りしない一級品!今回は日本でもお馴染みのベテラン騎手クレイグ・ウィリアムが手綱を執ります。ランドウィックもウィンクスも知り尽くしている
心強い鞍上です。

クレイグは、後方から捲りつけていくヒュー・ボウマン騎手とウィンクスの、さらに後方から直線勝負に賭けるのでしょうか?万が一、末脚がハマるようだと、世界競馬史に残るようなダークヒーロー(悪役)として世界中のファンからブーイングを浴びるんでしょうか?もし、そうだとしても偉業ですね。ぜひ史上最大のダークヒーローとして名を残してください。そういう異端のサラブレッドがいてこそ、競馬が面白くなるんですから。

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