きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

選択肢の広がり

4月5日は、渡邊薫彦 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

先日のドバイワールドカップデーに史上最多14頭の日本調教馬が出走しましたが、海外遠征が当たり前の時代になっています。それも日の丸を背負った代表というイメージのない馬でも、普通に選択肢の一つとして海外のレースをローテーション検討のテーブルの上に乗せます。どこに飛躍のキッカケが潜んでいるか、正直なところ分からないからです。昨日もご紹介したオーストラリア移籍で一流馬に化けたブレイブスマッシュなんかは典型です。日本在籍時代にG3サウジアラビアロイヤルCの勝ち鞍はありましたが、その後は伸び悩んでOP特別で掲示板がやっとという平凡な競走馬でした。

ところがオーストラリアに移籍して、スプリントレースに的を絞って使われるようになると、新設で未格付けながら芝レースでは凱旋門賞を上回る世界最高賞金のジエレベストで3着に激走して、一躍注目を集め遂にフューチュリティSで元同馬主の格上トーセンスターダムとワントゥーフィニッシュして堂々G1ホースにまで出世しています。彼は今週、追加登録料を支払ってG1TJスミスSにチャレンジします。まさにサザンクロス太閤記と言って良いほどの変身ぶりが見事です。

来週のG1シドニーC 3200mには日本調教馬のプレストウィックが挑戦します。ステイヤーズS3着の銅メダルはあっても、まだ重賞勝ちすらない平凡なオープン馬です。時期的に日本では同距離の天皇賞春が行われますが、こちらで賞金ではねられるでしょうから、出走機会を求めれば海外遠征という選択肢があっても良いのでしょう。1着賞金は日本円で1億円を超える高額ですから不足はありません。シルクレーシングの所有馬で、いわゆる一口ホースですが、中途半端に出世して出走レースが限られるのであってみれば、遠征費用の問題はあっても会員さんの中にはウェルカムな方も少なくないのでしょうか。それにしても、良い時代になったものだと思います。

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