きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイターフは刺客乱舞

3月28日は、伊藤 圭三 調教師、角居 勝彦 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

いよいよ今年最初のクライマックス・ドバイミーティングが開幕します。日本で馬券発売される4レースを中心に展望していきますが、まずは日の丸軍団の十八番ドバイターフから。アドマイヤムーンがダーレー婿入りの縁となる勝利を掴んだナドアルシバ1777mのドバイデューティーフリーから、メイダン1800mに移設されドバイターフとレース名も変わって過去8年の勝ち馬は、地元UAE馬が2勝、欧州馬と日本馬がそれぞれ3勝という勢力図になっています。最近4年に限れば、ジャスタウェイ、リアルスティール、ヴィブロスと日本馬が圧倒しており、その功績ゆえか今年は大挙5頭が招待されています。その顔ぶれも一騎当千、G1馬4頭の揃い踏みの豪華版!ピカピカのエリート馬揃いです。

海外勢はG1実績では日本勢に正直かなり見劣ります。先だっての前哨戦総決算スーパーサタデーのジェベルハッタを制したブレアハウスが唯一のG1ホースですが、それ以前で言えばハンデ戦を専門に走っていた馬で、重賞はおろかリステッドの経験もない格下馬です。ただしジェベルハッタでは、今回1番人気が予想されるベンバトル、南アフリカの刺客ジャビーノ、今季マイルG2を連勝して絶好調のプロミシングランと有力どころをまとめて面倒を見ており、中身は相当に濃かったです。2着に敗れたベンバトルは英ダービー、キングジョージのスーパーG1ではともに5着と一歩及びませんでしたが、今季はドバイターフと同コース同距離のG3、G2を連勝しており本格化の兆しを感じさせるゴドルフィン期待の星です。

今回の最大の惑星は、馬をその気にさせる男=ライアン・ムーアが騎乗するランカスターボンバーでしょうか?名伯楽エイダン・オブライエン調教師の薫陶を受け、時には有力僚馬のペースメーカー的役割もこなしながら、勝ったのはメイドン(未出走未勝利戦)のたった1度だけですが、2歳時はデューハーストSとBCジュベナイルターフ、3歳時はセントジェームスパレスS、ウッドバインマイル、BCマイルと欧米を股にかけて一流G1で2着を5度も記録しています。尊敬に値する“史上最強の1勝馬”ですね。エリート集団・日の丸軍団の最大の強敵は、雑草のような逞しさを弾けさせるこの馬かもしれません。

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