きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2018.2.2

中山を彩った名馬たち【05】オジュウチョウサン
2017年12月23日 第140回中山大障害

有馬記念と並び、“冬の中山の風物詩”と呼ばれる、最強のジャンパー決定戦、中山大障害。その頂点と極めたと言ってもいいのが……昨年のオジュウチョウサンとアップトゥデイトによる“世紀の一騎打ち”だ。
寒風吹きすさぶ中山のスタンドで。テレビで。あるいはラジオ中継で。4分間の激しいドラマを体感したファンが、レース直後から、競馬サイトに書き込みをはじめ、あっという間にその輪が、広がっていく。
「最高に心がしびれた4分間」
「史上最高の名レースだった!」
「これが競馬だ!!」
「ある意味、キタサンブラックが勝った有馬記念を超えていた」
最大級の賛辞で埋め尽くされる言葉の数々……。140回を数える歴史の中で、これまでにも数々の名勝負が演じられてきたが、これほど、見るものの心を震わせたレースは……ない。

単勝人気1.1倍。J・GI3連勝中。絶対王者のオジュウチョウサンと石神深一騎手。これに挑むのは、2015年の最優秀障害馬、アップトゥデイトと林満明騎手のコンビ……。レースは、「簡単には勝たせない。できるかぎりの抵抗はしてみせる」と語っていたアップトゥデイト、捨て身の大逃げでスタートした。
腹を括り、10馬身もの差をつけて逃げるアップトゥデイトに対し、二番手から競馬を進めたオジュウチョウサンの石神騎手もまた、同じように腹を括って、最終周回まではじっと我慢。最終障害を飛越してスパートを開始すると、どよめきは一気に、歓声に変わった。
逃げるアップトゥデイト。追うオジュウチョウサン……。
最後は、26年ぶりに塗り替えるレコード決着で、オジュウチョウサンに軍配が上がったが、粘りに粘ったアップトゥデイトもまたあっ晴れ!
そして、もうひとつ――。
無事、全馬完走を見届けたスタンドから贈られた温かい拍手……。あの日、あの場所にいた、競馬ファンにも、あっ晴れ! を贈りたい。