きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

長距離レースの復権

2月28日は、山本 康志 騎手、沖 芳夫 調教師、萱野 浩二 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

1776年に創設された世界最古のクラシックレースとして250年近い歴史を誇るセントレジャーが、スピード化の波に押されて輝かしい伝統も凋落の一途をたどっているのが現代競馬の一風景ですが、BHA(英国競馬統括機構)が長距離レースの再興に本腰を入れるようです。BHAは昨年からグッドウッドCをG1昇格させるなど、ステイヤー育成への意欲の兆候を感じることはできたのですが、今年から「ステヤーズミリオン」と銘打った長距離シリーズ戦を新設し、優勝馬に100万ポンド≒1億5000万円のボーナスを支給しようというものです。

ただしアスコットゴールドCや前出のグッドウッドCなど4つの関門が設定され、ボーナスはそのすべてで勝利するのが条件。非常に高くて厳しいハードルです。それでも一流ステイヤーの陣営は前向きで、イギリスを代表するビッグオレンジなどが初代チャンピオンを目指すと意欲満々なようです。この活況は、ロイヤルアスコットにG1コモンウェルスCが新設され、それを契機にイギリス短距離界が飛躍的な成長を遂げたサクセスストーリーに大きな刺激を受けているのでしょうか?

コモンウェルスCは春先に活躍の場がなかった3歳スプリンターに晴れ舞台を用意したもので、それまではギニーなどマイルに向かうしかなかったスプリンターがこぞって集結するようになり、短距離レースの一気にレベルを高めました。今年で開設4年目ですが、過去3回で3頭のカルティエ賞最優秀スプリンターを輩出しています。たった一つのレースの創設が短距離界の風景を変えてしまった、そう結論して過言ではないでしょう。日本でもこれに倣ったか、今年からダービー前日に1200mの葵Sが重賞に昇格します。世界的に見て、どうにも分の悪い日本スプリント陣ですが、これが起爆剤となると喜ばしいのですが。

×