きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2018.2.23

中山を彩った名馬たち【08】サクラローレル
1996年3月10日 第70回中山記念

2月23日は、横山 典弘 騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ある陣営は、ここから始動して春のGⅠへと力強く語り、ある陣営は、ここを勝ってドバイへと胸を張る。どちらの道を歩むのかは別にして、春、大きな勲章を狙う陣営がこぞって、“新しい年のはじまりは中山”からと腕をぶすレース。それが、もっともGIに近いGIIと言われる中山記念だ。

この中山記念で、“奇跡の復活”を遂げた馬がいる。
父 Rainbow Quest
母 ローラローラ
あのナリタブライアンと同期で、怪我に泣きクラシックを棒に振ったもう一頭の怪物……名前をサクラローレルと言う。
一時は安楽死処分も検討されたという両前脚の深骨と呼ばれる膝下の中手骨を骨折、生と死の間を彷徨った彼が、一年に及ぶ長期休養明けの一戦に選んだのが、この中山記念だった。

1番人気に推されたの、前年の皐月賞馬ジェニュイン。2番人気はナリタキングオー。以下エーブアゲイン、セキテイリュウオー、メイショウユウシ、サイレントハピネス……と続き、サクラローレルは9番人気。「復活はして欲しいが……無理だろう」というのが数字に現れていた。
1000メートルの通過が59秒1。よどみのない平均ペースで流れたレースが激しさを増したのは、最後の直線に入ってから。岡部幸雄騎手のGOサインに鋭く反応したジェニュインが、後方8番手から一気に先頭に躍り出る。
「決まった!」
だれもがそう思った瞬間、さらに後方13番手でじっと脚をためていたサクラローレルが、横山典弘騎手に導かれ、猛然とスパート。並ぶまもなく一気に交わし、そのままゴール板を駆け抜けた。
奇跡の復活を成し遂げたサクラローレルは、その後、ナリタブライアン、マヤノトップガン、マーベラスサンデー、バブルガムフェローといった個性豊かなライバルたちと幾多の死闘を演じたが、その第一歩は、ここ……中山のコースだった。