きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

南十字星に誓う鬼脚

2月14日は、勢司 和浩 調教師、目野 哲也 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

オーストラリアに移籍した日本馬たちが、既にG1を2勝して自らの手で種牡馬切符を勝ち取ったトーセンスターダムを筆頭に、期待以上の活躍を見せています。美浦から栗東へ移籍するのとは訳が違います。繊細なサラブレッドが日本とは季節が真逆、繁殖時期も春秋正反対の南半球へ場所を移して走るのは、動物生理学的にも簡単ではないでしょう。我が強くプライドも高いサラブレッドを、慣れない環境の中で競走馬として一から鍛え直すのは骨の折れる仕事だと思います。馬も偉いのですが、南半球ホースマンの凄腕に感心するばかりです。

先週はそのトーセンスターダムと移籍以来の進境が著しいブレイブスマッシュが同じレースに出走しました。先週コーフィールド競馬場で行われたCFオーアSという1400mのG1戦がそれです。堂々1番人気に支持されたトーセンスターダムは四角で早くも先頭に並びかける人気馬らしい積極的なレースをしたのですが、直線で失速して11着と大敗を喫しました。こうなると後方勢の勢いが止まらず、実力派ハートネルが抜け出したところへ、最後方待機のブレイブスマッシュが末脚を炸裂させて襲いかかりました。しかし単頭+鼻まで追い詰めたところがゴール。惜しい3着に敗れますが、総額1000万AUSドル≒9億円の世界最高賞金スプリント戦のジエレベストでも鬼脚を駆使して3着に突っ込んだ切れ味は伊達ではありませんでした。

オーストラリアではこれからが秋競馬本番、4月には数々のG1レースをラインアップした豪華シリーズのザチャンピオンシップスが準備され、日本からもたくさんの馬がエントリーしています。移籍したトーセンスターダム、ブレイブスマッシュはもちろんですが、現地未出走のアンビシャスやサトノラーゼンといった新顔もここを目標に調整されているようですから、現日本馬VS元日本馬の熱い戦いが見られそうです。

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