きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

大した馬列伝抄

12月14日は、崎山 博樹調教師、松下 武士調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

昨日に続いて香港国際競走の話題です。4レース行われたG1レースを3勝と圧倒してホームの強みを見せつけた地元勢に対して、遠征馬中唯一の勝利を飾ったのはアイルランドのハイランドリールでした。香港ヴァーズは3年連続の出走出し1、2、1着ですから、シャティンの鬼と最大限の尊敬が払われて良いでしょう。シャティンばかりでなく、このガリレオ産駒は世界中を旅しています。愛英仏は言うに及ばず、オーストラリア、アメリカ、香港、ドバイと7つの国と地域を駆け巡り7つのG1を制覇しています。凱旋門賞2着の大銀星も輝いています。大した競走馬です。

この大旅行家サラブレッドの7つ目のG1は、管理するエイダン・オブライエン調教師にとって、故ボビー・フランケル師の年間G1勝利世界記録の25勝を大きく上回る今季28勝目となります。さすがに今年はこれで勝ち収めでしょうが、どこまでも勝利に貪欲な姿勢には頭が下がる思いです。大した勝負師です。恩師の世界記録と並んで、父ガリレオには昨季に続いてキャリアハイタイとなる年間G1勝利24勝目をプレゼントしました。年間24というとJRAのG1全レース数とピタリ同じ。それを2年連続で達成するなどは、およそ想像を超える神業に近い領域でしょう。大した種牡馬です。

ハイランドリールは長い旅路を終えて、来春からはアイルランドのクールモアスタッドで後継馬づくりに励みます。父ガリレオ、母父デインヒルは大人気種牡馬にのし上がったフランケルをはじめ強力なライバルも少なくない配合です。初年度種付け料は1万7500ユーロ≒236万円と高くも安くもなく、将来を期待される中堅種牡馬といった設定です。スタッフに愛されながら心身ともに健康でタフに走り抜いたステイヤーという良さを1頭でも多くに伝え、大した産駒を出してほしいものです。

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