きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドイツ三銃士

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ジャパンCの出走外国馬が固まったようです。ワールドクラスのビッグネームは見当たりませんが、アイルランド、ドイツ、オーストラリア3カ国計4頭、なかなか個性的なメンバーが顔を揃えました。注目株はドイツ勢でしょうか?個人的な印象になりますが、競馬先進国の中で2400m、俗に言うチャンピオンディスタンスに頑なまでにこだわりを見せるのはドイツだろうと思っています。2000m級の中距離G1もあるにはあるのですが、主要G1は2400mでラインナップされ、父子、兄弟が揃って勝つことが多いので有名な独ダービーの伝統もしっかりと守られています。今年もモンズーン系シロッコの仔ヴィントシュトースが父子制覇を成し遂げています。祖父モンズーンは後のジャパンC馬ランドの大駆けに2着と苦杯を喫しましたが、曽祖父ケーニヒスシュトゥールはドイツ競馬史上唯一の三冠馬です。父から子へ、子から孫へとダービーの価値と誇りが連綿と伝えられています。モンズーンはシロッコ以外にもザムムとスキャパレリがダービーを兄弟制覇しており、キングジョージなど2400mG1を4勝しているノヴェリストが日本で種牡馬生活をスタートさせ、ヴェルメイユ賞を勝ったスタセリタはオークス馬ソウルスターリングを出して2400mの国の底力を再認識させました。

そのドイツにあって、ここ最近は交互に主要G1を勝ちまっているのが、ジャパンCにやって来るイキートスとギニョールに凱旋門賞トライアルのフォア賞でサトノダイヤモンドを子供扱いしたジンギスシークレットといった面々。ドイツ三銃士と呼んで良いでしょう。イキートスは昨年も日本の土を踏み、400キロあるかないかの小柄な馬体で勇敢に馬群に突っ込み、7着とは言え見せ場たっぷりの勇敢なレースをしています。4着だったゴールドアクターからクビ+クビ+ハナの僅差でしたから、今年は流れが速くなるようだと、昨年以上はが望めそうです。

ギニョールはペースメーカー出身で叩き上げの苦労派。昨年のG1バイエルン大賞を最低人気で逃げ切り一線級に割り込んできた馬です。今季はドイツ2400mG1最高峰のバーデン大賞でイキートスを破り、バイエルン大賞連覇の実績を残しました。先行策のキタサンブラックには厄介な目の上のタンコブかもしれません。逃げるギニョール、追い込むイキートス、ゲルマン魂の炸裂に期待したいと思います。

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