きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

もっと、上手くなりたい

11月3日は、高田 潤 騎手、岡田 稲男 調教師、武 幸四郎 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

デビュー2年目、栗東・矢作厩舎に所属している坂井瑠星騎手が、11月16日からオーストラリアに長期遠征することになりました。
期間は半年間。所属先は、メルボルンカップが開催されるフレミントン競馬場に厩舎を構えるマルア・レーシング・ステーブルです。
ーーなぜ、海外なのか?
2000年・春、日本からアメリカ・南カルフォルニアに主戦場を移した武豊騎手は、信じられないという顔で、「なぜ、賞金の安いアメリカに行くのか?」という質問を繰り返すマスコミに対して、
ーーそれが騎手を目指したときからの夢だったから。
当然という顔で、さらりと言い放ちました。
ーーもっと、上手くなりたいから。
計算も打算もない。ただ、その思いだけでした。
結局、このアメリカ長期遠征は、地元意識の壁に阻まれ、最後まで実を結ぶことはありませんでしたが、それでも、武豊騎手は、「いいことも悪いこともすべて含めて、いまの僕がある。だから、あのときの決断は間違っていたとは思わないし、後悔もしていません」と、その著書で語っています。

坂井騎手は、1年目に25勝、今年はすでに35勝を挙げ、このまま、日本で乗っている方が、精神的にははるかに楽なはずです。当たり前のことを、当たり前にやっていれば、それで大過なく日々を過ごしていけるはずです。しかし、敢えて、当たり前のことが、何ひとつとして、当たり前にはならない厳しい環境に身を置くことで、そこから新しい何かを掴み取ろうとしています。
旅立ちまで、あと13日……。
今日、金曜は、福島で4鞍に騎乗。明日、土曜も福島で、同じく4鞍に騎乗。日曜は京都に場所を移し、3鞍に騎乗の予定です。
オーナーのみなさまが、直接、言葉を交わす機会はないかもしれませんが、この若手ジョッキーの心意気に、
ーー頑張れよ!
と、エールを送ってあげてください。

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