きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ガリレオのG1記録

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昨日は、数多の名伯楽の最高峰に君臨するエイダン・オブライエン調教師が、伝説の名調教師ボビー・フランケル師のG1年間25勝という不滅の金字塔に後1勝と迫っている話題をお届けしました。オブライエン師と言えば、最良のパートナーである名馬にして大種牡馬ガリレオの存在を抜きに語れません。ガリレオはイギリスとアイルランドのダービーを無敗のまま制して、古馬相手のキングジョージも完勝、秋の凱旋門賞も彼のものと思われていたのですが、なぜかダートのBCクラシックに向かい史上初の連覇を達成したティズナウの6着に敗れて有終の美は飾れませんでした。芝と砂の絶対王者を目指して結果的に晩節を汚した格好ですが、このときオブライエン師の胸にどんな思いが渦巻いていたのか?すべては歴史の闇の中です。

しかし翌年クールモア牧場にスタッドインした種牡馬としてのガリレオは競走馬としてのそれ以上に素晴らしく、初年度産駒からG1を送り出し続け、今年も8年連続9回目の英愛リーディングサイアーの座を確実なものにしています。昨年は自身のキャリアハイとなるG1年間24勝の記録を打ち立てましたが、今季も好調でここまで22勝と昨年に負けない勢いを誇示しています。年が明ければ20歳の大台を迎えますが、老いなど微塵も感じさない精気みなぎる充実ぶり。イギリス競馬のシーズン最後の大花火チャンピオンズデーを始め、アメリカ、オーストラリア、香港など高額賞金G1がこれからも目白押しで、ガリレオ=オブライエン軍団が世界の競馬シーンを席巻することでしょう。

しかし今季の特徴は孫世代の活躍でしょうか?完勝の凱旋門賞などG1を4連勝中のエネイブルはガリレオ系ナサニエルの初年度産駒で、G1はまだ日本のソウルスターリングしか勝っていない怪物フランケルですが、遠からずヨーロッパでもG1戦線で大暴れするのは確実でしょう。ちなみに今週末の大一番ブリテッシュチャンピオンSの本命に推されているクラックスマンはフランケルのヨーロッパにおける一番星です。いずれ父ガリレオからナサニエル、フランケルなど息子世代に王者の誇りが継承されていくのでしょう。日本でも来年にはガリレオ直仔ケープブランコの産駒たちがデビューします。ヨーロッパで愛ダービー、愛チャンピオンSとG1を2勝、アメリカの軽い芝を器用にこなしセクレタリアトSなどG1を3勝、計5勝している強豪です。もちろんオブライエン師の薫陶を受けたサラブレッドで、サドラーズウェルズ系血統にとっての最難関!日本の芝をこなして見せてくれるでしょうか?

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