きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

あけましておめでとうございます。今年も中山競馬ならびに中央競馬をよろしくお願い致します。

さて、毎週水曜と木曜は海外の話題を中心にお届けしています。お屠蘇気分で言うわけじゃありませんが、まぁ、お屠蘇が入っているのは間違いないんですが、現在の世界競馬のトレンドは《祭りの後》、早い話が《二日酔いの時代》だと思います。ヨーロッパではフランケル、オーストラリアはブラックキャビア、ともに一時代を創造した名馬が表舞台から姿を消し、かつてないような盛大なキャンペーンが終わり、ま、二日酔い状態にあります。あの興奮と感動はどこへ行ってしまっのか、そんな感じです。アメリカはもっと酷くゼニヤッタ、レイチェルアレクサンドラ、2頭の歴史的名牝がそれぞれに無敵の快進撃を続け、オールアメリカで大いに盛り上がった直接対決待望論は、散々焦らされた挙句に結局は実現せず、これで全米が一挙に白けました。以来、アメリカ競馬はかつてない長い低迷を囲っています。

日本も油断はできません。《国民的愛馬》と言えるほどのスーパーホース・オルフェーヴルが去り、短距離で世界レベルを究めたロードカナロアの姿もない今、二日酔い症候群は他人事とは思えません。この厄介なシンドロームの解消法は一つしありません。競馬ファンのみならず一般国民をも巻き込んで興奮させ感動させるようなレースを次々と生み出していくしかありません。スポーツを含むエンタテインメントの宿命と言っても良いのですが、相当に高いハードルです。レースを面白くする営みを淡々と粘り強く続けて行くしかないのでしょうね。

ということで新年のご挨拶に代えます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

×