きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

単枠指定って?

9月22日は、石川 裕紀人 騎手、藤沢 和雄 調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

2017年も残すところあと、ちょうど100日。本日、9月22日は、大相撲の千代の富士が通算965勝を挙げて最多記録を樹立(1989年)。ロックバンド「X JAPAN」が解散を表明(1997年)。昨年は、国内のプロバスケットボールリーグ・Bリーグが発足し、バスケファンにとっては心躍る一日となりました。
でも、やっぱり――。
競馬を愛するものとして9月22日を記憶にとどめておきたいのは、最後の単枠指定競走となったセントライト記念が行われた日(1991年)ということです。

ーーWhat’s 単枠指定?
20代、30代の方には耳慣れない言葉だと思いますが、この制度は、まだ、枠番連勝の馬券しかなかった時代、9頭立て以上のレースで、特に人気が集中しそうな時、その馬を単枠してすることで、同枠の馬が取り消した場合などにおこる問題の発生を極力防止するための措置として実施されていたものです。
きっかけとなったのは、1973年の日本ダービーでした。このレースで1番人気となったハイセイコーの単勝支持率は66.7%という圧倒的な数字だったことから議論が始まり、翌74年の皐月賞で、はじめてこの制度が適用されたのです。
この時、単枠してされたのは、6戦無敗のキタノカチドキ。ライバルと目されたカーネルシンボリが故障で回避したことも重なり、初のシード馬(単枠指定馬)が誕生しました。
単枠指定の目安となるのは、“概ね”単勝支持率が30%を超えると推測されるかどうか。普通に考えると(1頭で30%ですから、2頭だと60%、3頭だと90%を超えることになります)、1つのレースで、2頭、3頭の馬が単枠指定されるというのは、奇跡的なことですが、この“概ね”という言葉のマジックが、複数の単枠指定馬を生み出し、競馬ファンの心をより熱くさせてくれました。

その象徴が、1984年に行われた第29回有馬記念です。無敗の三冠馬、シンボリルドルフ。前年の三冠馬、ミスターシービー。ジャパンカップでこの2頭に勝ったカツラギエース。人気、実力が伯仲した夢の3強対決は、初めて実現した3頭の単枠指定と相まって、かつてない盛況をもたらしました。
馬番連勝複式勝馬投票券の導入で、最後の単枠指定馬となったのが、前述したセントライト記念に出走したレオダーバン(結果は3着)でした。
どの馬にもチャンスがある戦国レースも魅力的ですが、圧倒的な人気を誇る馬が、その人気に応えて、強い競馬を見せるのもまた、競馬の面白さの一つです。

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