きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

超新星現わる!

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今週土曜日にアスコット競馬場で行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(キングジョージ)の話題をお届けしています。出否が不透明だったエネイブルがどうやら出走に踏み切りそうです。英オークスを5馬身、愛オークスは5馬身半と走るたびに強くなっている成長盛りの3歳牝馬で、ここを勝てばキングジョージは祖父ガリレオ、父ナサニエル、孫娘エネイブルの三代制覇という偉業達成!凱旋門賞は当然、大本命に祭り上げられます。主戦のデットーリ騎手も「スピードがあり機動力も抜群、しかも追ってキレるステイヤーだよ」とゾッコンのようです。英愛両オークスを制覇した馬は今世紀に入って3頭いますが、凱旋門賞に出走したウィジャボードは2着、スノーフェアリは3着といずれも好勝負を演じており、データ的には勝ち負けに十分届く範囲内にいます。

超新星の出走表明でブックメーカー各社のオッズも急変しています。エネイブルがグングンと上昇して2.2倍のダントツ人気に。目下G1を2連勝中で「キャリアハイの状態」と主戦ムーア騎手が充実ぶりに太鼓判を押す強豪ハイランドリールも当初は圧倒的人気の2倍台だったオッズが2番人気5倍まで下がっています。こうした相手関係の機微もあり、今週のアスコットは馬場状態の悪化が予想されて、ヨーロッパにはしばしば見られる直前に取り消すケースも出てきそうですが、エネイブルとは同じジョン・ゴスデン厩舎のジャックホブスも不気味な存在。前走プリンスオブウェールズSは不可解なドンジリ大敗を喫していますが、運のなさを別にすれば実力的は最上位を争う1頭です。

伏兵たちも多士済々!前走エクリプスSでG1初勝利を挙げ晩成の大器本格化!と話題を呼んでいるのが名門マイケル・スタウト厩舎のユリシーズ。クールモア傘下で英愛ダービーを制覇したオーストラリアの半弟フロンティアーズはゴドルフィンに勝負服を替えた因縁の良血馬。アイダホはハイランドリールの全弟です。ドラマがテンコ盛りのキングジョージになりそうです。日本馬が出走するしないに関わらず、こういうレースは馬券に手を出したくなります。海外馬券新時代、そうした純粋に馬券を楽しめる日も、そう遠くはないのでしょうね。

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