きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

日出ずる国のスーパーサイアー

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セレクトセールの模様を伝えるレーシングポストは、億円超え高額馬連発のディープインパクトをそう紹介しています。マルコ・ポーロが現代に蘇ったとしたら、きっと「ジパングはやはり黄金の国だった」と書き記すに違いありません。日本にいる我々自身もそうですが、海の向こうから眺める青い眼にも、ディープショックはそれほど大きくて深いインパクトがあったのでしょう。

ポスト・ディープインパクトへの期待も大きく、ハーツクライなどもおしなべて高値で取引されました。しかしハーツはディープより1歳年上ですから、若い世代の台頭も目覚ましく、今年産駒がデビューしたばかりのロードカナロアなども億円超えの高額馬を複数出して次代のエース種牡馬の座に虎視眈眈と狙いを定めています。サンデーサイレンスの血を一滴も持たない血統構成も人気の秘密なのでしょうね。ところが昨日の当歳セリでは、セールには世界初上場と話題になっていたゴールデンホーンの牝駒が主取りに終わる意外な結果も生まれました。

ご承知のように英ダービーと凱旋門賞を3歳時にダブル制覇している近年屈指の名馬です。その父ケープクロスは、同じく英ダービー、凱旋門賞を勝ち、種牡馬としても成功している怪物シーザスターズを輩出し、日本でもダービー馬ロジユニヴァースの母の父として実績を残しています。これだけの血統が市場に受け入れられなかったのは、ちょっと残念な気もします。杞憂に終われば良いのですが、ディープインパクトを不動の四番バッターとする日本血統のガラバゴス化を招かないことを祈るのみです。

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