きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

秋の指標、福島から

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日曜は福島競馬場でラジオNIKKEI賞、中京競馬場でCBC賞と2つの重賞レースが行われます。
ラジオNIKKEI賞は夏の福島競馬を彩る3歳ハンデキャップ重賞です。1952年に中山4歳ステークスとして創設され、当時は皐月賞の前哨戦として4月に中山競馬場で行われていたレースでした。しかし創設からほどなくして、クラシックシーズン終了後の6月に移され、出走資格に「除東京優駿競走の勝馬」とダービー馬は出走できず、ダービー出走や活躍が叶わなかった馬がこの時期にこぞって出走するケースが多かったことから「残念ダービー」とも言われるようになります。1979年以降、福島開催に移設。名称が幾度か変更され、現在に至ります。

過去多くの名馬がこのレースを駆け抜けた中でも、伝説となっているのが1977年のレースです。
「賞金なんか貰わなくていい。28頭立ての大外枠でもいい。邪魔なんかしない。頼むから出してくれ」の想いも叶わず当時の規定によりクラシックに出走できなかったマルゼンスキーが出走。後続を大きく離して快調に逃げていたもののゴールと間違えたのか4コーナーで失速、一度は後続に並ばれるものの、そこから再び加速しのちの菊花賞馬含め直線だけで7馬身ちぎっての圧勝劇でした。まさにダービー不出走の鬱憤を晴らしたレースでもありました。

そのラジオNIKKEI賞も、いつごろからか残念ダービーの声もなくなり、秋のクラシックやその先に向けての基礎固めのレースのひとつのような印象となっています。2006年2着馬のソングオブウインドは秋に菊花賞を優勝、2007年優勝馬のロックドゥカンブは菊花賞で3着となり、同年2着のスクリーンヒーローは古馬になってから大成して、種牡馬としてもモーリスやゴールドアクターなどを送り出しています。

今年のレースでは、賞金19番目でダービーに出走できなかったサトノクロニクルが現在人気になっています。粒ぞろいと称される同世代牝馬も出走し、レースが楽しみな組み合わせとなりました。

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