きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

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ブエナビスタの引退式が有馬記念当時に行われるようです。有馬記念をラストランの舞台に選び、その日に引退式を行った馬は過去3頭います。

03年のシンボリクリスエスは史上最高着差の9馬身の圧勝、この馬が引退するのか、とファンに溜息をつかせました。06年のディープインパクトは直線坂上で翔んで3馬身、着差以上の強い勝ち方で観客を唸らせました。

翌07年はダイワメジャーがラストランでの勝利に挑みますが、中山の鬼マツリダゴッホの大駆けにあい、妹ダイワスカーレットにも先を越されて3着に敗れています。この馬には距離がちょっと長かったのと、スカーレットが翌年の有馬を勝っているように、強敵ぞろいだったのも事実で仕方のない3着だったと思います。引退式を直後に控えた馬は、やはり走りますね。過剰とも思える人気を背負って走るわけですから、陣営も生半可な気持ちでは出走できないでしょう。期待に応えて花道を飾らせたい気持ちは人一倍です。

でも、馬は生きもの、そして名馬ほど賢いものです。スプリンターズSが暮れに行われていた頃、そのレース後に引退式を行ったタイキシャトルは、まさかの3着に敗れています。引退を予知したのか《馬が走るのを嫌がっていた》と藤沢和雄調教師が話してくれたことがありました。ディープがゴール後のウイニングランをしなかったのも同じ理由だと武豊騎手が証言しています。

勝っても負けても無事に走ってきてほしいと思います。ブエナビスタという希代の名牝のラストランを瞼にしっかりと焼き付けられる幸せを噛み締めましょう。

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2022