きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

フランケルのドーヴィル無双

8月17日は牧浦充徳調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
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昨年のヨーロッパ王者アルマンゾルがドーヴィルでの復帰戦を惨敗して、凱旋門賞戦線に暗雲が漂ってきましたが、その同じドーヴィルの同じ日に行われたG戦2鞍をフランケル産駒が快勝しました。G2ギョームドルナーノ賞は、昨年アルマンゾル、一昨年ニューベイといずれも仏ダービーの覇者が秋へのスタートを決めた由緒あるレースですが、今年も仏2000ギニーと仏ダービーの二冠を制したブラムトが出走してきました。しかしブラムトはアルマンゾル同様に後方のまま動けずライアン・ムーアに乗り替わったエミネントの逃げ切りを許し、5着に大敗してしまいました。エミネントはイギリスから遠征したフランケル産駒です。デビュー戦とG3クレイヴンSを連勝後は、英2000ギニー6着、英ダービー4着と相手強化の壁に伸び悩みましたが、一気の逃げ戦法でフランケルらしいスピードが生きました。

アルマンゾル惨敗のG3ゴントービロン賞、ブラムト大敗のG2ギョームドルナーノ賞に続いて行われたのは3歳牝馬のマイルG3戦のリューレイ賞。エミネントとは真逆に最後方待機したフランケル産駒のレディーフランケルが、前の塞がる不利を克服してゴール前で末脚を爆発させ一瞬で全馬をナデ斬り、重賞初制覇のゴールに飛び込みました。先週はヘイドッグでフランクースというフランケル産駒が、G3ローズオブランカスターSを逃げ切っています。これまでG1を勝っているのは、日本のソウルスターリングが唯一の存在で、期待の大きさから言えば多少とも物足りないのですが、ここへ来ていよいよ怪物のエンジンに火がついたのでしょうか?

全体に奥手の印象も見受けられます。日本では10頭が出走して4頭が勝ち上がり合計10勝を上げていますが、先月中京の未勝利を勝ったモズアスコットを除けば、すべて牝馬の仕事です。ヨーロッパでも当初はフェアエヴァ、クイーンカインドリーといった牝馬勢の活躍が目立ちました。気が良い牝馬の方が仕上がりに手間取らないからでしょうか?大将格クラックスマンは、デビュー2連勝からトライアルを道悪で回避するなど順調さを欠きながら、エプソム3着、カラー2着と英愛両ダービーで力のあるところを見せています。秋は凱旋門賞も視野に入れているようです。果たして世界の大舞台で、ヨーロッパ初のG1獲りに怪物の血が覚醒するのでしょうか?

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