きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

リーディングサイアー異変

8月10日は勝浦正樹騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

世界の競馬は、北半球が前半戦を終え、南半球では新シーズンに突入する季節になりました。北半球はこれから各カテゴリーのチャンピオンを目指して頂上決戦に向けた熾烈な戦いが展開されていくわけですが、その戦いを血統面から映し出すリーディングサイアー争いに、ちょっとした異常事態(?)が起きています。というのは、獲得賞金額で世界のトップを走っているのが4年前に死没したアンブライドルズソングだからです。それもほぼ1頭だけで稼いだ賞金だから驚かされます。

そのワンダーホースは言うまでもなく怪物アロゲートです。今年新設された1着賞金700万ドルと世界最高賞金レースのペガサスワールドC、去年まで世界最高だった同600万ドルのドバイワールドC、たった2つのレースで合計1300万ドル≒14億3000万円を咥えて来て亡き父アンブライドルズソングを世界の種牡馬王へと引き上げました。現時点で世界2位のガリレオはドル換算で900万ドル余り、北米2位キャンディライドは870万ドル余り、後半追い込み型ではあるのですが種付け料世界一のタピットは750万ドル余りで北米5位に甘んじている現状です。アロゲートは前走で想像もできなかった不覚を取りましたが、この後は順調なら盆明け19日のG1パシフィッククラシックを叩いて、今年の最大目標であるBCクラシック連覇を目指します。両方勝てれば400万ドル近くを加算できますから、アンブライドルズソングの世界リーディングサイアーは濃厚になります。

フランスではリーディングサイアーの座は飛び抜けた高額賞金である凱旋門賞馬の父の指定席と言われて来て、たった1頭の孝行息子(娘)の存在感は少なくないのですが、変に平等じゃないところもキング・オブ・スポーツらしくて気持ちの良いものです。いろいろ解消しなけれなならない問題はありそうですが、日本でも思い切ってオオトリの有馬記念の賞金をペガサスワールドCに比肩するような超高額に設定して、年度代表馬もリーディングサイアーも、すべてがこの一戦で決まるといった風になれば盛り上がるんでしょうね。競馬に公正さは欠かせませんが、妙に平等である必要はないようにも思います。

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