きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

香港春の陣【第二幕】

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日本でも馬券発売される今週日曜・香港シャティンのクイーンエリザベス2世Cは、ドバイワールドC2着の実績もあるUAEのムブタヒージが回避して、結局8頭立ての少頭数競馬になりそうです。メンバーを見渡して最初に気づくのは、これといった先行タイプが見当たらないことです。日本から遠征したネオリアリズムがマイペースでレースの支配権を握れそうなメンバー構成になりました。マイペースの逃げでモーリスを完封した札幌記念の再現になるのでしょうか?

とは言え、ツワモノ揃いであるのは間違いがありません。このレースの過去3年のチャンピオンがクツワを並べています。古い順にデザインズオンローム、ブレイジングスピード、そして去年はウェルテルが勝っています。いずれも前走でいかにもトライアルらしい走りをして、天王山に乗り込んできました。昨暮の香港Cでモーリスの2着に突っ込んでいるシークレットウェポンの末脚も侮れません。日本のステファノスやラブリーデイに先着した実力は伊達ではない?でも地元の期待は新鋭パキスタンスターでしょうか?この馬、以前にもご紹介したことがありますが、追い込みも追い込み、離されたドンジリから直線一気に全馬をゴボウ抜きするド派手なパフォーマンスが持ち味です。日本馬で言えば、ちょっと古いのですが疾風怒濤の追い込み師ブロードアピールを彷彿させる豪快無双の切れ味を誇っています。香港ダービー2着など力をつけているのは確かで未知の魅力に富んだ上がり馬で、現在のブックメーカーオッズはネオリアリズムに続く2番人気。直線でワクワク、ゴール前でドキドキ、香港のファンが肩入れする気持ちも良く分かります。

ネオリアリズム以外の外国馬は、オーストラリアのG1馬ユナイテッドステーツとフランスのディクトンですが、仏2000ギニーと仏ダービーでいずれも3着の実績があるディクトンが絶好調を伝えられています。果たしてアウェイの不利をはね返すポテンシャルを秘めているのか?同じことがネオリアリズムにも言えそうですが、彼はシャティンは2度目です。敢えてここ一本に狙いを定めてG1獲りに不屈の闘志を燃やす彼とシャティンを知り尽くしている雷神ジョアン・モレイラに期待してみたいレースでしょうか?

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