きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

アルアイン一冠

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日曜中山競馬場で行われた皐月賞は、9番人気のアルアインがゴール直前でペルシアンナイトをクビ差交わして優勝し、見事クラシック一冠目を手にました。ただ1頭牝馬で69年ぶりの偉業を目指して果敢に挑んだファンディーナは、最後の直線でいったんは先頭に立ったものの、そこからこれまでのような圧勝劇とはならずにズルズルと後退し7着の結果でした。

それにしても驚いたのがアルアインの勝ちタイムでした。今年の3歳牡馬戦線は、クラシックに至るまでの前哨戦が馬場状態も悪かったレースも多かったことも含め勝ち時計が遅いレースが目立っていました。象徴的なレースが弥生賞でした。良馬場ながら勝ち時計は2分3秒2と、前日に行われた3歳未勝利戦とほぼ同タイム。勝ち時計がすべてではないものの、評価を下すには難しいレース内容でした。それが皐月賞では全馬走破タイムを一気に短縮しての決着となり、なんと勝ったアルアインの走破タイムは1分57秒8。昨年史上最強と謳われている現4歳世代ディーマジェスティが記録した1分57秒9をコンマ1秒更新する、レースレコードとなりました。
ただ、皐月賞同日に行われる他のレースタイムについて今年と昨年を比較すれば、春興ステークス(芝1600m)にしろ、春雷ステークス(芝1200m)にしろ、鹿野山特別(芝2000m)にしろ、いずれも昨年よりも今年は2〜3秒速い勝ち時計となってましたから、今年の皐月賞は時計が出やすかった馬場だったということでしょう。それにしてもこの勝ち時計には驚かされました。

勝ったアルアインは父ディープインパクトで母ドバイマジェスティの血統で、母ドバイマジェスティは米国の牝馬チャンピオンスプリンターで2010年のBCフィリー&メアスプリントの勝ち馬です。皐月賞を勝ち戦績は5戦4勝。6着に敗れたシンザン記念は直線スピードが乗りこれからというところで大きな不利を受けての結果でしたから、シンザン記念を度外視すればほぼパーフェクトの成績です。今回9番人気と低評価でしたが、皐月賞制覇で評価はガラリと変わることでしょう。ダービーでのレースも非常に楽しみとなってきました。

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