きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2017.5.24 ダービー7頭出し

5月24日は川村禎彦調教師の誕生日です。誕生日おめでとうございます！
ようこそいらっしゃいませ。

今週の日本ダービーのお話ではありません。海の向こうで来週行われる本家イギリスのエプソムダービーの話題です。アイルランドの巨匠エイダイ・オブライエン調教師が、2000ギニーを完勝した厩舎の総大将チャーチルはダービーではなく、今週の愛2000ギニーへ向かわせる決断をしたかと思えば、ダービーには総勢7頭で挑むと宣言してファンを驚かせています。アイルランドとイギリス双方のトライアルで、ともに1-2-3フィニッシュを決め、その合計6頭に加えキャリア3戦ながら2連勝中と成長著しいクリフスオブモハーの“七騎の侍”でチャレンジするそうです。ちなみにクリフスオブモハーはブックメーカーオッズで現在1番人気タイの高評価を受けています。

かと言って、オブライエン師は何が何でもダービーにこだわる風もありません。有力視されていたチャーチルは、以前から「ギニー向き」と明言していた通りの道を選び、2歳時無敗で先日も休み明けを快勝して5戦5勝としたカラヴァッジオにはスプリント路線を歩ませ、春の目標はロイヤルアスコットの電撃6ハロンG1のコモンウェルスSに照準を定めているようです。その一方では、ロイヤルアスコット名物の20ハロン≒4000mのG1ゴールドCにも格別の愛着を抱き、去年の凱旋門賞3着の実力馬オーダーオブセントジョージ、圧倒的人気に支持されたセントレジャーでの競走中止の屈辱を晴らすべく雪辱に燃えるステイヤー・アイダホをスタンバイさせています。1頭1頭の適性や状態を的確にジャッジするのは当然でしょうが、1レース1レースの伝統や品格に対する尊敬や愛情があふれています。こうしたホースマンの見識が競馬を文化へと高めていくのでしょう。

今年の話題はオブライエン厩舎がいくつのクラシックを制覇するかにも注目が集まっているようです。5年前の2012年、キャメロットが英2000ギニーと英愛の両ダービー、ワズが英オークス、ホームカミングクイーンで英1000ギニー、パワーで愛2000ギニーと合計6冠を制しています。今年もチャーチルとウィンターでギニー制覇と幸先の良いスタートを切りました。果たしてイギリスとアイルランドで8冠の完全制覇なるか？今年もヨーロッパ競馬が熱くなりそうです。

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