きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

世界の壁を超えた一日

5月12日は大下智騎手の誕生日です。誕生日おめでとうございます!
ようこそいらっしゃいませ。

本日5月12日は、ナイチンゲールデー、国際看護の日。数多くのファンに愛されたサクラスターオーが天へと駆け上がった日(1988年)であり、第1回NHKマイルカップが開催された記念すべき日(1996年)でもあり、そして、もうひとつ……日本の競馬の歴史を塗り替えた一頭の馬が生まれた日(1990年)でもあります。

あれは……サッカーの三浦知良選手が、日本人選手として初めてイタリアのプロサッカーリーグ、セリエAでデビューした日、1994年9月4日のことでした。
父リファール
母スキーゴーグル
アメリカで生まれ、フランスのファーブル厩舎で調教を受けた一頭の芦毛の牝馬が、ヨーロッパの最強マイラー決定戦ともいえるフランスのGIムーラン・ド・ロンシャン賞に挑戦しました。オーナーは、吉田照哉氏。ジョッキーは武豊。そうです。彼女が日本人騎手による初の海外初GI勝利という快挙を成し遂げたスキーパラダイスです。

初めてコンビを組んだ京王杯スプリングカップでは1番人気に応えたものの、本番、安田記念は5着。その後、フランスでもコンビを継続し、GIIアスタルテ賞2着。GIジャック・ル・マロワ賞が5着……。世界の扉をこじ開けたレース後、武豊が、「降ろされてもしかたがないようなレースが続いていたのに、それでも何度もチャンスをくれた吉田照哉オーナー、ファーブル調教師ら関係者の期待に何とか応えたかった」と漏らした言葉は、今も忘れることができません。

国内ではサンデーサイレンスの初年度産駒がデビュー。クラシック戦線では、ナリタブライアンがシンボリルドルフ以来史上5頭目となる三冠を制した1994年……日本の競馬の歴史が大きく動き始めたその年にスキーパラダイスが挙げた1勝は、今も色褪せること無く輝き続けています。

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