きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイからケンタッキーへ

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日本でも馬券発売され大いに盛り上がったドバイワールドCナイトですが、メインのワールドCのアロゲートの鬼神のような強さには、日の丸代表4頭が枕を並べて討死させられた悔しさも忘れて、ただ呆然とさせられました。でも今年もドバイターフを快勝のヴィブロスを筆頭に、日本馬が確かな存在感を発揮しました。なかでもUAEダービーのエピカリスの二枚腰、三枚腰の粘りは圧巻でした。来れば伸びる、伸びればまた迫る、直線の激闘は見ていて感動すら覚えました。競馬の面白さを堪能しました。

最初に断っておきますがサンダースノウは相当に強い馬です。2歳時にサンクルーのG1クリテリウムアンテルナシオンを勝ち父ヘルメットに怪物フランケルでさえ届かなかったヨーロッパ唯一のG1ウイナー輩出新種牡馬のビッグな栄光をプレゼント!(フランケルは日本のソウルスターリングが親孝行しました)ヨーロッパG1シーズンの幕開けを告げる英2000ギニーにおける前売りオッズ5、6番手につけておりブックメーカーによっては3番手に大抜擢するところもあるほどの隠れもない実力馬であり時期柄2000ギニーは休み明けブッツケの馬も多い一戦ですから今季2連勝の好調さと順調さも評価されているのでしょうね?悩ましいのは、今回の勝利で名誉ある出走権をほぼ確定させたケンタッキーダービーと2000ギニーがまったくの同日なこと。ゴドルフィンの総帥モハメド殿下はどちらを選ぶのでしょう?

これだけの馬と互角の戦いをしたエピカリスはダートの分野で苦戦続きだった日本勢にとって久々というか、ほとんど初めて世界に通用する馬が現れた!そんな感慨を運んでくれました。しかしケンタッキーダービー参戦についてはサンダースノウ同様の悩みをこの馬も抱えています。今年から日本調教馬を対象に新設されたジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービーで出走権を世界一番乗りで確定させていますが、どうやら検疫のハードルが高く自重の方向のようです。確かに一昨年のUAEダービー馬ムブターヒジは、どういう理由か?担当厩務員さんが入国できなかったり、普段食べている飼料が持ち込めなかったり、大きなハンデを背負っての戦いを強いられました。エピカリス陣営が二の足を踏む気持ちも分かりますが、世界ホースマン憧れのケンタッキーダービー、走ってほしかったというのがファンの本音でしょうか?

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