きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイワールドCデー展望【後】

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史上初のドバイターフ連覇を目指していたリアルスティールの出走取消は残念です。鼻出血だそうですが癖になりやすい疾病でもあり、後を引かないよう捲土重来を祈るのみです。さて、そのドバイターフですが昨年以上のハイレベルともっぱらの評判です。最大の目玉はフランスのザラクでしょうか。デビューからノンストップで凱旋門賞まで無敗街道を走った名牝ザルカヴァ自慢の息子です。フランスダービーで昨年のヨーロッパ3歳チャンピオンに君臨したアルマンゾルの2着に敗れるなど、母とは違って惜しい敗戦が続いていましたが、遂に前走G3ドバイミレニアムSで重賞初制覇を成し遂げました。父ドバウィのそのまた父である奇跡の名馬ドバイミレニアムの名を冠した縁起物のレースで勝つあたり、持っている馬なのかもしれません。

昨日、今年のドバイはガリレオVSドバウィの代理戦争というお話をしましたが、このレースにもクールモア=オブライエン軍団のドーヴィルをはじめガリレオ産駒が大挙して参戦、ザラクの野望の前に立ち塞がります。これも見どころです。ジャックルマロワ賞を勝っているリブチェスターは、ヨーロッパのマイルG1戦線でもっとも安定した走りを見せてきた本物の実力派です。互角以上の評価が必要でしょうね。

最後にメインの大一番ドバイワールドCですが、何度もお話したようにアロゲートが負ける姿というのは想像できません。三冠馬アメリカンファラオも管理したボブ・バファート調教師は『ファラオは高度に完成された馬、でもアロゲートはビッグチルドレン』とその底知れない奥の深さをしのばせるコメントを発しています。馬券は相手探しムードですが、穴なら絶好調が伝えられるキーンアイスの追い込みで展開が乱れるようなら面白いかも?猛烈な先行争いを乗り切ったアメリカンファラオを差し切り世紀の大金星を挙げたこともある馬です。4頭で挑む日の丸カルテットですが、どこまで頑張ってくれるでしょうか。

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