きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイワールドCデー展望【前】

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いよいよ3日後、世界トップクラスのサラブレッドが集結したドバイワールドCデーが幕を開けます。参戦する日本馬は延べ6レースに総勢11頭と駒が揃いました。日本国内で馬券発売されるのは、4頭の日の丸カルテットが挑む最高峰ドバイワールドC、1頭で臨むドバイシーマクラシック、2頭のドバイターフの3レースです。馬券発売されないゴドルフィンマイルのカフジテイク、ケンタッキーダービー出走権がかかるUEAダービーのエピカリス、アディラート、ゴールデンシャヒーンのディオスコリダーは唯一の3歳馬で若さと4キロ貰いの恵量が魅力です。それぞれ力は出し切ってくれると思います。馬券で応援はできませんが、世界に名を轟かせるような立派な戦いぶりを期待しましょう。

馬券発売レースをザッと展望していくと、まずドバイシーマクラシック芝2410mは7頭立てと少頭数ですが、まぎれもなく少数精鋭の実力伯仲戦と言い切れそうです。前哨戦で不覚を取った昨年の覇者ポストポンドですが、追い込んで直線だけの勝負で前が詰まる不利もありました。昨年はスタートダッシュが良すぎて凱旋門賞の頃にはややガス欠気味になった反省もあってのスロースタートだったと思います。本番はキッチリ変わってくるはずで軽くは扱えません。展開的に先手を奪うのは今回はライアン・ムーアが手綱を執るハイランドリールです。キングジョージ、BCターフの逃げ切り勝ちは伊達ではないでしょう。 セヴンスヘヴンは愛オークスを完勝し、続くヨークシャーオークスで凱旋門賞馬ファウンドを破って連勝した実力派。牝馬2.5キロ減の斤量恩典が味方すればアッと言わせるシーンがあるかも。ポストポンドの父ドバウィ、ハイランド、セヴンスのガリレオと世界の頂点を争う種牡馬たちの代理戦争という趣きもあります。

“最強の2勝馬”サウンズオブアースはこれだけのメンバーが揃うと影が薄くなるのも仕方ありません。しかし3度のG1戦2着は、国内でなかなか勝てなかったのに、このレースで愁眉を開いたステイゴールドを懐かしく思い出させます。逃げるハイランド、今回は好位から攻めるポストと目標もはっきりしています。少頭数なのもレースがしやすいはずです。力の差は紙一重でしょうから、ハーツクライでこのレースを勝っているルメール騎手の手綱捌きに期待したいものです。明日は残る馬券発売レースの展望をしてみたいと思います。

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