きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

西から皐月を狙う

ようこそいらっしゃいませ。

土曜阪神競馬場では3歳オープン競走の若葉ステークスが行われます。上位2頭に皐月賞の優先出走権が与えられます。若葉ステークスは1985年に創設されたレースで、1999年までは中山競馬場で行われていました。2000年から阪神競馬場へ移設。現在に至ります。関西で行われる唯一の皐月賞トライアルレースです。
古くはトウカイテイオー、ビワハヤヒデ、ジェニュイン、2000年以降でもアドマイヤグルーヴ、ハーツクライ、ヴィクトリー、ワールドエースらがこの若葉ステークスからクラシック戦線へと歩み、結果を残しています。

若葉ステークスがクラシック戦線で強烈に印象を残したのが1997年のレースでした。
この年のクラシック戦線は主役馬不在で大混戦状態で、メジロライアンの仔メジロブライトが皐月賞では1番人気に支持されるも、前哨戦のスプリングステークスで伏兵に敗れるなどどこかまだ頼りなさを残しての皐月賞本番となりました。
この年の皐月賞には、若葉ステークスからシルクライトニング、フジヤマビザン、サニーブライアンの3頭が出走していました。シルクライトニングにフジヤマビザンは若葉ステークス1、2着とはいえレースでは評価が低かった馬ですし、サニーブライアンもすでに弥生賞で優先出走権を手にしていたとはいえ4着に敗れていますから、皐月賞ではいずれの馬も低人気でした。
ところがゴール前で大仰天。サニーブライアンが逃げてそのまま逃走し、後ろからシルクライトニングが追い込み、先行策をとったフジヤマビザンが粘りきり、1、2、3着いずれも若葉ステークス組が独占してしまったのです。11番人気、10番人気、12番人気の結果で馬連5万円の大波乱の結末でした。
2007年にもヴィクトリーが若葉ステークス優勝から皐月賞へと向かい、低評価を覆してクラシック最初の一冠目を手にしていますが、インパク度でいえば1997年が勝ります。

今年はどの馬が西から皐月を目指していくでしょうか。レースに注目です。

×