きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

スーパーサタデー【前】

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世界のホースマン百人が集まれば百人が等しく認めるダート最強馬!アロゲートのドバイワールドC参戦が本決まりになったようです。彼の参戦で今年のドバイは史上最高の盛り上がりを見せる期待が高まってきました。先月、1着賞金700万ドル≒7億9000万円のペガサスワールドCを圧勝したばかりというのに、今度は同600万ドル≒6億7000万円への挑戦です。もし勝てばBCクラシックの賞金が330万ドル≒3億7000万円でしたから、直近3レースだけで1630万ドル≒18億4000万円余りを稼ぐことになります。世界に冠たる高額賞金大国わが日本の歴代最高がテイエムオペラオーの18億3500万円余りですから、彼が足掛け4年で26戦を要した大記録を、たった5ヶ月足らず3戦で塗り替えてしまうわけです。地上最強のバウンティハンター(賞金稼ぎ)でしょうね。こんな馬のオーナーになってみたい?

ちょっと下世話な話になってしまいましたが、今週のドバイはスーパーサタデー、前哨戦シリーズの大詰めを迎えます。本番と同コース同距離のトライアルレースが行われます。興味津々の番組のオンパレード!第3レースは芝の最強馬決定戦シーマクラシックのトライアルであるG2ドバイシティオブゴールドが組まれており、いきなり昨年こことシーマを連勝したヨーロッパ最強馬ポストポンドが登場します。彼はモハメド殿下が率いるゴドルフィングループの総大将の立場でもあり、いわばカーニバルのホスト役として負けられない一戦です。昨年のシーマで日本馬のドゥラメンテやリアルインパクトを一蹴した実力は信頼に足るもの!

第6レースは日本のラニがワールドC出走権をかけて挑戦するG1アルマクトゥームチャレンジラウンド3。ラニには目標のワールドCではなくゴドルフィンマイルの招待状が舞い込んでいるのですが、ワールドCと同コース同距離のこのレースで存在感を強烈にアピールし、大一番への招待を実現したい!松永幹夫調教師には過去に同じような経験があります。G2時代の10年に同じ松永師が管理するレッドディザイアがその年にワールドCの覇者となるグロリアデカンペアオを負かし、当初はデューティーフリー(現ドバイターフ)の予定を変更してワールドCに駒を進めたこともありました。松永師の経験が生きてのラニの挑戦なのでしょうね。

本番でアロゲートに歯が立つかどうかは勝ってから考えるとして、まずはこの一番に全力投球あるのみ!8頭立ての少頭数でラニには競馬がしやすいはず。前走アルマクトゥームチャレンジラウンド2を勝ったフリュアクルザードという牝馬が強敵でしょうか。もとはと言えばアルゼンチンのG1馬ですが、アルゼンチン版BCであるエストレジャス大賞は芝とダートが隔年で交互に開催されているように、ダート競馬も重視されるお国柄で今回と同条件のダート2000mのG1を勝っている下地があります。血統的にも父のストームキャット系ニューファンドランドは、その母の半姉にワールドC2着のトゥザヴィクトリーを出したフェアリードールがいます。こうして見ると、競走や血統の交流を通じて世界はどんどん狭くなっていると実感されます。明日もスーパーサタデーの見どころを探っていきたいと思います。

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