きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイへの架け橋

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早いもので、今週はもう中山名物のG2中山記念が行われます。知られているように中山競馬場は東京競馬場との切磋琢磨により繁栄を築き上げてきました。日本ダービー(東京優駿)が創設されたのが1932年、それに対抗するビッグレースとして中山大障害がスタートし、中山記念もその一環として1936年に最初のゲートインが行われています。当初は東京の目黒記念と同じく春秋に開催されていたため今年で91回目という長い歴史を誇っています。

中山記念は歴史の中で進化を遂げて、最近ではドバイワールドCデーへの“架け橋”として定着して、独自の存在感を高めるようになりました。ご承知のように6年前にはヴィクトワールピサが、ここから世界最高賞金レースのドバイワールドCを制覇するという偉業を成し遂げています。忌まわしい東日本大震災の直後だっただけに、大きなショックに打ちひしがれていた被災者の方々や日本人全体をどれほど勇気づけたことか。歴史的快挙でした。

その後もジャスタウェイや昨年のリアルスティールが中山の走りをドバイ・メイダンでの快走に繋げています。中山でリアルスティールを倒したドゥラメンテはドバイシーマクラシックに挑み、当時の中長距離世界最強馬ポストポンドの2着に食い下がって実力の確かさを証明しました。今年もドバイターフ連覇を目指すリアルスティール、成長盛りの明け4歳牝馬ヴィブロスなどが“栄光への架け橋”を駆け抜けて海を渡ります。世界的にもすっかり有名になった中山記念の名をさらに高めてほしいものです。

その中山記念、今年からは新しい顔も加わります。新設G1大阪杯の最重要前哨戦という位置づけです。このレースの勝ち馬には大阪杯への優先出走権が与えられますから、“ドバイへの架け橋”のみならず春の中距離王への“登龍門”としての新たなキャラクターを持つことになります。世界一有名で質の高い前哨戦、中山記念をぜひ競馬場でご覧になってください。

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