きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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キズナ、エピファネイア、メイショウマンボの4歳3強が揃った大阪杯は、後方からレースを進めたキズナが直線でトウカイパラダイスを差し切りレースを制しました。

それにしても強烈な末脚でした。他馬が36秒台、エピファネイアでさえ34秒4の上がりタイムをキズナは33秒9でゴール前を駆け上がりました。スローでキズナの良さが活きる展開になったとはいえ、ただ一頭次元が違う末脚でした。レース後、武豊騎手や佐々木調教師が2番人気だったことに触れてましたが、今回の勝利で疑いようもなくキズナが主役に躍り出ました。

キズナの風を颯爽とかき分けるようなスマートな走りをみて、1998年のダービー馬スペシャルウィークを思い出しました。武豊騎手に初のダービーをプレゼントした名馬です。スペシャルウィークは古馬になりさらにひとまわり成長を遂げ、春の前哨戦でメジロブライトを撃破。天皇賞(春)をも3連勝で制覇し古馬頂点に立つと、凱旋門賞へのプランも持ち上がります。しかし、その想いを打ち砕いたのが同世代の怪物グラスワンダーでした。初の直接対決となった宝塚記念で3馬身差をつけられ、スペシャルウィークの凱旋門賞へのプランは白紙に戻されます。グラスワンダーは有馬記念でもハナ差でスペシャルウィークをしりぞけ、2度に渡りスペシャルウィークの野望を阻みました。

現在キズナには、天皇賞(春)、宝塚記念、そして凱旋門賞への青写真が描かれています。ドバイ圧勝のジャスタウェイにジェンティルドンナ、ウインバリアシオンにゴールドシップらが古馬に連ねます。さらなる頂点へ向け、超えるべき各馬との激突が楽しみになってきました。

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