きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ケンタッキーダービーへの道【前】

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日曜の東京競馬場では「ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー」シリーズ最終戦が行われます。昨秋のカトレア賞と合わせてポイント上位の1頭に優先出走権がプレゼントされるドリームレースです。この日本調教馬に特別に設けられた1枠を目指して、オープン特別とは言えグレードレース並みの豪華絢爛な顔触れが揃いました。そもそもこの時期には有力馬はクラシックを目標に芝のレースを使われることが多く、彼らが重い腰を上げるのは、ダービーが終わって6月のユニコーンSから7月のジャパンダートダービーに向かう頃が通り相場でした。それが魅力的な新制度が導入された今年は、効果てき面、ハナからチャーチルダウンズを目標にする馬が増えました。ダートグレードレースのG3エーデルワイス賞とG1全日本2歳優駿をいずれも圧勝したリエノテソーロが桜花賞に向かうようですが、彼女は芝でも2戦2勝ですからその選択も当然かもしれません。

しかし彼女以外の有力馬はほぼ勢揃い、3戦3勝のエピカリス、シリーズ第1戦カトレア賞の勝者モンサンレガーメ、ダート替わりで才能開花させ日本レコードを叩き出したアディラート、抽選対象になりますがセレクトセールで2億4840万円の超高値を付けた世界的良血馬フォギーナイト、有力馬を指折り数えるにも片手では足りず両手にも余るほどです。たった一つのレースの仕組みを工夫するだけでこれほど大きな変化が起きるのに驚かされます。高額賞金ばやりのご時世ですが、ちょっとした知恵とリスクを恐れない決断力で競馬を面白くすることができるんですね。

さてヒヤシンスSの展望の前に、本場アメリカの「ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー」の現在までの状況をおさらいしておきます。1着馬に10ポイントが与えられる第1ステージは大詰めを迎え、2月下旬からは50ポイントレースの第2ステージ、3月下旬にはUAEダービーを皮切りに100ポイントのラストステージへと移行していきます。ポイント的にはまだ始まったばかりという印象ですが、先日のG2ホーリーブルSでポイントレースのトップを走っているBCジュベナイル馬クラシックエンパイアが敗れ、何やら波乱ムードも漂ってきています。果たして日本馬の出番はあるのか?明日はその辺りを含めてヒヤシンスSのあれこれに思いを巡らしてみたいと思います。

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